つらつら思うこと

特にテーマは決めずに書きます

本の購入予定

再来年12月まで、向う2年ほどの本の購入予定スケジュールを考えてみた。
どうせスケジュール通りにはならないだろうけど、考えるだけで楽しいから。

購入予定先を見たらこんな感じ。

「日本の古本屋」関係。
日本書房(東京)10種51冊
五十嵐書店(東京)10種13冊
岡本書店(埼玉)3種3冊
渥美書房(東京)3種3冊
西秋書店(東京)3種3冊
雀羅書房(岩手)2種2冊
万葉書房(千葉)2種2冊
水たま書店(東京)2種2冊
天牛書店(大阪)2種2冊
文祥堂書店(埼玉)1種10冊
古書かんたんむ(東京)1種4冊
以下は1種1冊……板沢書房(秋田)、かげろう文庫(東京)、古書ワルツ(東京)、五山堂書店(東京)、根元書房(東京)、悠久堂書店(東京)、瑞光堂書店(愛知)、花木堂書店(愛知)、伏見屋書店(愛知)、有時文庫(岐阜)、臨川書店(京都)、黒崎書店(大阪)、八尾文庫(大阪)、浪漫堂書店(大阪)、長山書店(岡山)、ぶっくいん高知(高知)、今井書店(福岡)、佐藤書店(福岡)、洋学堂書店(佐賀)

Amazon関係は全部1冊づつなので冊数で記す。
バリューブックス…5冊
かわせみ書房…3冊
ハードオフファミリー…2冊
古本倶楽部…2冊
以下は全部1冊づつ。
あやみ堂、ことり書房、もったいない本舗、ノースブックセンター、ハードオフECセンター、神楽坂ブックス、長崎夢屋、古書籍堂、不死鳥BOOKS、楽生堂、、BookCloud M、seb.sebooks

今月買った本②

日本の古本屋サイトを通じて購入した本は7冊。

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★陽明叢書9/伊勢物語・大和物語《陽明文庫編、南波浩解説、1976年6月発行、思文閣》
井筒屋古書部(福岡市)/¥900+送料¥560+振替手数料¥130[後払]
この本ははじめAmazonから買うつもりだったけど日本の古本屋サイトをちょっと覗いてみたら、Amazonの最安値が¥1,500だったのに¥900で出してる店があったのでAmazonをやめてこちらに注文した。井筒屋は福岡の店で、九州からなのに2日で届いたし、安くても本の状態もほぼ新品並だったし、また買いたいと思う。
陽明文庫は近衛家の古文書類を収めている文庫で、この伊勢物語は伝中和門院筆本。武田本の奥書がある。武田本系は少し前までは静嘉堂文庫本と伝尊鎮親王筆本の影印本を持っているだけだったけど、このところ伝一条兼良筆本、伝飛鳥井雅親筆本、そしてこの伝中和門院筆本と続いている。
影印はそれほどサイズは大きくは無いけれども字も綺麗だし読みやすい。

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★文法詳解伊勢物語精解《長瀬治著、1958年4月初版1964年7月21版、加藤中道館》
不二書店(高松市)/¥600+送料¥0+振替手数料¥130[後払]
不二書店からの請求メールを見て送料サービスなのに驚き、支払いの2日後に入金確認の御礼のメールが来たのにまた驚いて、良い人なんだなあと思った。
本は三ツ木徳彦著「文法詳解伊勢物語精釈」に書名がそっくりなのでエッと思った。
どうやらこちらの方が先で、こちらを絶版にして三ツ木氏の本に切り換えたということらしい。
高校生向けの参考書で伊勢物語全段を収めたのはこの本が最初のようだけど、全段収めてはいるものの、全語の品詞分解を行っている訳ではなく、結局絶版になったのはその辺の中途半端さが原因ではないか。

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★国文解釈と鑑賞叢書3/文法設問伊勢物語の解釈と鑑賞《伴久美著、1958年5月初版1962年12月13版、有精堂出版》
古書好文堂(福井市)/¥2,000+送料¥215+振替手数料¥130[後払]
伊勢物語の解釈と鑑賞」というので至文堂の「國文學・解釈と鑑賞」の増刊号かと思ったら普通の学習参考書だった。
これが¥2,000は高い気もするけど、ネットで検索しても他には無かったので致し方無いか。
著者の伴久美氏はこの本を書いた1958年当時は実践女子大学助教授。1954年には「枕草子要解」、1958年に「全解枕草子」、1960年にニューメソッド国文対訳シリーズの「土佐日記」を書き、1961年には「伊勢物語に就きての研究・補遺・索引・図録篇」の索引篇を担当するなど当時は注目の若手研究者だったようだけど、その後は結婚後の内尾姓で1973年に「品詞別日本文法講座9助詞編」の一部を担当した以外に本を書いた形跡が無く1992年に定年退職している。Wikipediaは無く、はてなキーワードによれば1921年生とのことだから存命なら今年96歳だけど、はてなキーワードには没年は書かれていない。
この本は伊勢物語全段を収めた学習参考書としては15日違いで長瀬治著「文法詳解伊勢物語精解」に先を越されたものの、こちらは全語の品詞分解を行っていて、初めて全段全語の品詞分解を記した学習参考書。この後も全段全語の品詞分解を記した学習参考書は他に三ツ木徳彦著「文法詳解伊勢物語精釈」しか無く、しかも「精釈」は内容にいろいろ不備があるので、現在でも最も信頼できる伊勢物語参考書だと思う。既に絶版になり古書店での入手も困難な状態なのは残念。できれば再刊して欲しい。
【後記】
10月31日に「日本の古本屋」のマイページを見たらこの本について「決済待ち」となっていたので驚いて好文堂に「10月6日に郵便局に支払いましたし領収書も有りますが、まだそちらに届いていないのですか?」とメールしたら「当店では毎月々末にまとめて処理していますからご心配なく」という返事だったけれども、11月8日現在まだ「決済待ち」の表示が出たままになっている。どうなっているのか。こんなことがあるともう好文堂では買いたくないなと思ってしまう。

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★新編伊勢物語選《武田祐吉編、1952年3月発行、明治書院
往来舎(山陽小野田市)/¥500+送料¥150+振替手数料¥130[後払]
日本の古本屋の目録には学習参考書と書かれていたので武田祐吉氏の書いた学習参考書ってどんなものだろうかと興味を持って購入した。
実際は学習参考書ではなく一般向けに書かれた簡単な注釈書。全段では無く約半分の67段分の抄出で、段の順に書かれているのではなく「大和の国の女」とか「津の国うばらの郡」とか内容別にグループ分けされているのが特徴。

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★和泉選書/狩使本伊勢物語 復元と研究《林美朗編著、1998年9月初版1刷、和泉書院
伊藤書房清田店(札幌市)/¥2,000+送料¥300+¥振替手数料¥130[先払]
これもはじめはAmazonで購入するつもりだったのが日本の古本屋サイトの方が安かったので予定変更した本。Amazonでは¥2,798~¥2,799だったけど、日本の古本屋では¥2,000で出ていた。
伊藤書房清田店は最初のメールでは後払で良いように書いてたのが次のメールでは先払を求めて来たので印象があまりよく無かったけど、入金確認メールから2日で届いたし、本は綺麗な状態だったから最初の良くない印象は消えた。
今読み始めたところだけど、面白いテーマだからワクワクする。

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伊勢物語精講 研究と評釋《池田龜鑑著、1955年4月初版1966年3月6版、學燈社
西秋書店(東京都千代田区)/¥1,500+送料¥300+振替手数料¥130[先払]
これは5日(木曜)に注文したのだけど在庫確認と振替口座番号を記したメールが届いたのが6日(金曜)の夕方で、3連休があったので支払いが10日(火曜)になって、結局届くまで9日かかってしまった。
ただ本だけではなく美術展の割引券などが同封されていたのは嬉しい。
この本は日本の古本屋では3店が出品していて西秋書店は一番高かったのだけれども、他の2店の本よりは状態が良さそうだし、値段の差はそれほど無かったので西秋書店から購入した。
本は見返しにヤケはあるものの中は問題無かった。
池田龜鑑博士の伊勢物語の訳校註本は學燈文庫は持っているけれども、あれは学習参考書なので全段を収めた本格的な訳校註本はこの本だけのようだ。池田龜鑑博士が伊勢物語をどう受け止めていたかを知ることができる貴重な本。
なお研究篇とあるのは通常の解説に相当するもので、これは福井貞助氏が書いている。

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★物語作家圏の研究《目加田さくを著、1964年7月、武蔵野書院》
水たま書店(東京都板橋区)/¥1,300+送料¥510+振替手数料¥130[後払]
これは伊藤書房の場合とは逆で、日本の古本屋の「支払方法」では初めての場合は先払とあったので、そのつもりで注文したら在庫確認メールに発送しましたとあって結局後払になった。こういうのは嬉しい。
送料¥510はちよっと高いのではと思ったけど本を見て納得。1,000ページ近い分厚い本だった。
伊勢物語69段と唐の元稹の小説「會眞記」の一部が酷似していると指摘した本ということだけど、問題の箇所はサラッと触れている程度。會眞記の訳本も読んでみたい。

今月買った本①

今月はAmazonで6冊、日本の古本屋から7冊買った。

Amazonから買った6冊。

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泉州伊勢物語の研究《中田武司著、1968年11月発行、白帝社》
Amazon_bs-T/¥680+送料¥257
他の5冊はギフト券を使って買ったけど、この本だけはコンビニ払いで買った。
¥680は他のマーケットプレイスの1/4以下の安さだったけど本の状態は函と見返しにヤケがある程度で中は書込み等も無く綺麗だった。
泉州本は伊勢物語諸本中最多の段を持つ注目すべき本だけど、これまでの所持本では「伊勢物語に就きての研究・補遺篇」に阿波国文庫旧蔵本との校異の形で出ているのを読むことができる程度だったので、何とか翻刻本が欲しいと思って買ったのだけれど、残念ながらこの本も著者の持つ天福本系写本との校異という形で出ているだけだったので、これだったら「伊勢物語に就きての研究・補遺篇」と同じじゃないかと落胆した。まあ阿波国文庫本よりは天福本との校異の方が判りやすいし、勘物も書いてあるので、こちらの方が役に立ちそうだけど。
泉州本は原本は既に戦災で焼失していて唯一の資料となっている国学院大学刊の翻刻本は¥18,000もするし、悩むところだな。

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★長谷章久博士所蔵王朝文学叢書(2)伊勢物語《鈴木重三・小山利彦・元吉進編、1999年4月初版1刷、翰林書房》
Amazon_万葉書房/¥2,000+送料¥257
影印本らしいということ以外何も判らないまま安いので購入した本。
万葉書房は松戸の古書店で、日本の古本屋にも登録しているし、自前のホームページも持っていてそこから注文することもできる。でもこの本は日本の古本屋や自店のホームページには載せずAmazonにのみ掲載していた。
日本の古本屋では万葉書房は高いという印象があったのだけど、この本は安かった。日本の古本屋で一番安い店よりさらに¥1,500安かったので購入した。安くても本はほぼ新本並の綺麗な状態だった。
中は飛鳥井雅親筆本の影印とその翻刻。サイズが桜楓社刊の伝尊鎮親王筆本とほぼ同じで伊勢物語の影印本としては最大級で読みやすい。字も綺麗だし翻刻も極めて正確なもの。ただ解題が無いのはいかにも物足りない。

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★ニューメソッド国文対訳シリーズ(1)伊勢物語《守随憲治監修、小西宏著、1961年4月初版1993年4月16版、評論社》
Amazon_まるこ505/¥350+送料¥257
「国文対訳シリーズ」とあるので旺文社の対訳古典シリーズや創英社の対訳日本古典新書のような対訳本かと思って購入したのだけれど、品詞分解付きの学習参考書だった。
初版が出たのが1961年だから結構古い。全段ではなく36段の抄出。著者の小西宏氏については奥付にも何の記載も無くネットで検索してもよく判らない人だが、内容はしっかりしている。学習参考書に品詞分解のミスなどは付物と言っていい位だけど、この本にはほとんどミスが無い。既に絶版になっていて古本もほとんど出回っていないようだけど惜しい本。

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★日本の古典をよむ(1)古事記《山口佳紀・神野志隆光校訂・訳、2007年7月初版1刷、小学館
Amazon_ネットオフ/¥220+送料¥257
今回はAmazonのギフト券¥5,000を買った。ギフト券を買うのは4,5年ぶり2回目。コンビニまで払いに行かなくても済むということも多少はあるけど、コンビニ払いできないマーケットプレイスの出品している本はクレジットカードを持っていない私としてはギフト券を使って買うしか無いからというのが一番の理由。
ただ額面ピッタリの買物をするのは難しいのでどうしても余りが出てしまうという問題がある。
今回は「長谷章久博士所蔵王朝文学叢書・伊勢物語」¥2,257、「ニューメソッド国文対訳シリーズ・伊勢物語」¥607、それに古書さろん大地から出品されていた大津有一氏の「伊勢物語古註釈の研究」が¥1,400+¥257で合せて¥4,521だったので、残り¥479に一番近い額で適当な本はないかと探してこの本に決めた。
本体¥220、送料込みでも¥477と安かったけど、本の状態は良好で新本同様だった。
ただ内容にはちょっとガッカリ。このシリーズは小学館の日本古典文学全集をベースにしているので、同じく日本古典文学全集をベースにした簡装版とされる「完訳日本の古典」シリーズと同じようなものかと思って買ったのだけど、何と抄出本で全文は入っていない。失敗だった。

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★新註伊勢物語《松尾聰編、1952年5月初版1984年3月75版、武蔵野書院》
Amazon_不死鳥BOOKS/¥498+送料¥257
古書さろん大地に注文した大津有一著「伊勢物語古註釈の研究」が既に売れてしまったとのことでキャンセルになったので替りの本として先ずこの本を決めた。
松尾先生の本では学生時代に講義のテキストとして購入した「校註伊勢物語」(笠間書院)を持っているが、「校註」の方は永井和子氏との共著となっているので、二本の違いをこれから調べてみたい。
不死鳥BOOKSからの購入はこれが3冊目になるけど、最初の「伊勢物語論」(森本茂)が¥1で専門書がこんなに綺麗な状態で買えるのかと感激して以来信頼できるマーケットプレイスと思っている。

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★竹取・伊勢物語の世界_平安初期の思想史的考察_《田中元著、1982年10月初版、吉川弘文館
Amazon_ガブット書店/¥637+送料¥257
大津有一「伊勢物語古註釈の研究」キャンセルで、「古註釈の研究」¥1,400+送料¥257に余りの¥2を足した¥1,659が浮いたので、そこから「新註伊勢物語」の¥755を引いた¥904の範囲内であと一冊買うことにして選んだのがこの本。
ところが発送しましたとのメールが届いてから5日経っても届かない。やむを得ずガブット書店宛てに未着のメールを送ったら8日目になってやっと届いた。初めて購入したマーケットプレイスだけに、こんなことがあると二度と買いたくないなと思ってしまう。
本自体はまあ価格相応か。カバーがかなり汚れているけれども中は綺麗。
本はこれから読んでみるけど、吉川弘文館は歴史書の出版社だから、国文学研究者とはまた違ったアプローチがあるのかな。

ゐなかわたらひ

伊勢物語23段の『ゐなかわたらひしける人の子とも』の『ゐなかわたらひしける人』の意味についてはほぼ行商人説と地方官説に分かれているようだ。


【行商人説】……吉井勇(新譯繪入伊勢物語)・池田亀鑑(学燈文庫伊勢物語)・大津有一(現代語譯日本古典文學全集伊勢物語)・大津有一&築島裕(日本古典文學大系6伊勢物語)・南波浩(日本古典全書伊勢物語)・中谷孝雄(ちくま文庫伊勢物語)・山田清市(伊勢物語影印本付)・松尾聰&永井和子(校註伊勢物語)・中田武司&狩野尾義衛(伊勢物語新講)・森野宗明(講談社文庫伊勢物語)・中田武司(有精堂校注叢書伊勢物語)・三ツ木徳彦(文法詳解伊勢物語精釈)・伊勢物語要解(此島正年)・橘誠(伊勢物語の文法と解釈)・日栄社編集所(要説伊勢物語、文法解説伊勢物語)・雨海博洋(文法全解伊勢物語)・郷衡&田尻嘉信(明解シリーズ19伊勢物語)・坂本哲郎(明解古典学習シリーズ2伊勢物語)・奥野光恵(国語Iシリーズ3伊勢物語)・西谷元夫(精選古典14伊勢物語)・小原孝(新明解古典シリーズ3伊勢物語

【地方官説】……福井貞助(完訳日本の古典10伊勢物語)・森本茂(伊勢物語全釈)・小林茂美(影印校注古典叢書6伊勢物語)・田辺聖子集英社文庫)・中野幸一&春田裕之(伊勢物語全釈)・池田弥三郎(日本古典文庫7)・日栄社編集所(新要説伊勢物語)・原国人(文法鑑賞伊勢物語新解釈)・春山要子(古典新釈シリーズ4伊勢物語

【両説併記】……光學館編輯部(精解國文叢書伊勢物語)・田中宗作&鈴木知太郎(伊勢物語付業平集)・片桐洋一(校注古典叢書伊勢物語、鑑賞日本古典文学5伊勢物語)・鈴木知太郎(校註伊勢物語)・永井和子(対訳日本古典新書伊勢物語、笠間文庫伊勢物語)・阿部俊子講談社学術文庫伊勢物語

【明記せず】……中河與一(角川文庫伊勢物語)・渡辺実(新潮日本古典集成伊勢物語)・石田穣二(角川文庫伊勢物語)・中野幸一(対訳古典シリーズ伊勢物語)・吉岡曠(現代語訳伊勢物語


同様の説話が大和物語149段にもあって、大和物語では最後に「このおとこはおほきみなりけり」と書かれている。ただ日本古典文学大系(底本は尊経閣旧蔵伝藤原為家筆本)や永青文庫本(中院通勝筆)は「このおとこはおほきみなりけり」だが、九州大学図書館蔵支子文庫本では「をとこはおほきみなる在中将のことゝそほんに侍」とあり、この部分は後から付け加えられたと考えて良いようだ。

業平の父阿保親王は行商人でもなければ地方官でもないので、この話は元来業平とは無関係の説話だろう。
『まろ』『いも』など業平の時代よりも古い時代の語が使われていることからみても、業平よりずっと前の時代から伝わっていた説話と考える。
中央から派遣される地方官なら、幼い子が成長して結婚するまで同じ任国で勤めているとは考えにくいので、元々その土地の人間である下級地方官を想定すべきではないか。

新潮日本古典集成/伊勢物語

f:id:nobinyanmikeko:20170916201621j:plainAmazonのもったいない本舗に注文していた「新潮日本古典集成/伊勢物語」(渡辺実校注、1976年7月初版、新潮社)が届いた。

41年前の初版本だし、¥246の格安な値段だったけど本体にはほとんど傷みは無い状態。新品同様と言っても良い。函の周りのパラフィン紙に一部破れがあり、帯に色褪せはあるけれどほとんど気にならない。


101段の歌が『人をおほみ』ではなく『人おほみ』になっていたり、107段の『まだ若ければ』の『まだ』を本文に入れているのは他の多くの校注本とは違っているが、何故そうしたかの説明が欲しいところ。

校注部分の書き方は一般向けを意識した書き方のような感じなのに解説は本格的な論文になっていて、この落差は何なのだと思う。

解説の「みやび論」にも疑問がある。伊勢物語は一貫して田舎人を見下す姿勢で書かれていると主張しているが、41段の「むさしのゝ心なるべし」は東国人を持ち上げていると思うが。結局、伊勢物語を貫通する一つのテーマを求めること自体無理があるのではないか。

伊勢物語に就きての研究・補遺・索引・図録篇

f:id:nobinyanmikeko:20170908081420j:plain広島のアカデミイ書店に注文していた「伊勢物語に就きての研究・補遺・索引・図録篇」(大津有一編、1961年12月初版1968年3月3版、有精堂)が届いた。

大学図書館除籍本とのことで函無し裸本だけど中は綺麗で¥1,000という破格の安さだった。見返しに鈴峯女子短大図書館というシールが貼られていた。

補遺篇はなかなか盛り沢山で読みでがありそう。これだけでも数千円の価値はありそうだ。

索引篇は「伊勢物語総索引」(大野晋・辛島稔子編、1973年5月、明治書院)と比べると、伝定家筆本だけでなく、いろいろな異本に出て来る語までカバーしているというのも良いのだが、何ページの何行目と書いてあるだけではなくて、どういう文脈の中で使われているのかが索引を見るだけで判るというのが凄い。

図録篇は伊勢物語絵の図版が載っているのかと思ったら絵の図版ではなくて写本の文面の写真だった。これは見開き2ページ程度の写真ではあまり意味がないような気もするが。

精選古典14伊勢物語

f:id:nobinyanmikeko:20170908062630j:plainAmazonのBook Cloud Tに注文していた「精選古典14/伊勢物語」(西谷元夫著、1986年6月初版1995年7月増補8版、有朋堂)が届いた。

コンディション表示:可(天・小口・地に汚れ・埃シミ、表紙にヤケ・シミ・擦れキズ・ヨレ等の傷み見られます。背表紙に強いヤケあります。)……ということだったけど、全然そんなことは無くて新本同様と言って良い綺麗な状態で書込みも無い。1円本なのにこの状態はありがたい。

西谷元夫氏の伊勢物語の参考書はもう一つあるようだけど、そちらはAmazonで¥1,800とやや高いので当面見送ることにした。

この本、底本について何も書かれていないけれど本文からみて天福本と思われる。ただ、日本古典文学大系翻刻ミスの箇所は正しい表記になっているので古典大系は使っていないようだ。日本古典文学全集かあるいは鈴木知太郎氏の校註伊勢物語笠間書院版あたりを使っているのかな。