つらつら思うこと

特にテーマは決めずに書きます

知恵袋の回答/2018.12.7

古今集に業平作として載っている歌は以下の通りです。【表記は「講談社学術文庫/全訳注伊勢物語」による。《》内は底本=学習院大学蔵本の表記】

①2段……起きもせず寝もせで夜をあかしては春のものとてながめくらしつ
《おきもせすねもせてよるをあかしては春の物とてなかめくらしつ》

②4段……月やあらぬ春や昔の春ならぬわが身ひとつはもとの身にして
《月やあらぬ春や昔のはるならぬわか身ひとつはもとの身にして》

③5段……人知れぬわが通ひ路の関守はよひよひごとにうちも寝ななむ
《ひとしれぬわかゝよひちのせきもりはよひ\/ことにうちもねなゝん》

④9段……から衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬるたびをしぞ思ふ
《から衣きつゝなれにしつましあれははる\/きぬるたひをしそ思》
⑤9段……名にし負はばいざこととはむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと
《名にしおはゝいさ事とはむ宮こ鳥わかおもふ人はありやなしやと》

⑥17段……けふ来ずはあすは雪とぞふりなまし消えずはありとも花と見ましや
《けふこすはあすは雪とそふりなましきえすはありとも花と見ましや》

⑦19段……天雲のよそにのみしてふることはわがゐる山の風はやみなり
《あまくものよそにのみしてふることはわかゐる山の風はやみ也》
古今集は初句「ゆきかへり」。

⑧25段……秋の野に笹わけし朝の袖よりも逢はでぬる夜ぞひぢまさりける
《秋のゝにさゝわけしあさの袖よりもあはてぬる夜そひちまさりける》
※今は「ひちまさり」と清音で読むのが通例。

⑨41段……紫の色こき時はめもはるに野なる草木ぞわかれざりける
《むらさきの色こき時はめもはるに野なる草木そわかれさりける》

⑩47段……大幣と名にこそたてれ流れてもつひに寄る瀬はありといふものを
《おほぬさと名にこそたてれ流てもつゐによるせはありといふ物を》

⑪48段……今ぞ知るくるしきものと人待たむ里をばかれずとふべかりけり
《今そしるくるしき物と人またむさとをはかれすとふへかりけり》

⑫51段……植ゑし植ゑば秋なき時や咲かざらむ花こそ散らめ根さへ枯れめや
《うへしうへは秋なき時やさかさらん花こそちらめねさへかれめや》

⑬69段……かきくらす心の闇にまどひにき夢うつつとはこよひさだめよ
《かきくらす心のやみにまとひにきゆめうつゝとはこよひさためよ》
古今集は五句「よひとさためよ」。

⑭76段……大原や小塩の山もけふこそは神世のことも思ひ出づらめ
《大原やをしほの山もけふこそは神世のことも思いつらめ》

⑮80段……濡れつつぞしひてをりつる年の内に春はいくかもあらじと思へば
《ぬれつゝそしゐておりつる年の内にはるはいくかもあらしとおもへは》

⑯82段……世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
《世中にたえてさくらのなかりせははるの心はのとけからまし》
⑰82段……狩り暮らしたなばたつめに宿からむ天の河原に我は来にけり
《かりくらしたなはたつめにやとからむあまのかはらに我はきにけり》
⑱82段……あかなくにまだきも月のかくるるか山の端にげて入れずもあらなむ
《あかなくにまたきも月のかくるゝか山のはにけていれすもあらなん》

⑲83段……忘れては夢かとぞ思ふ思ひきやゆきふみわけて君を見むとは
《わすれては夢かとそ思おもひきやゆきふみわけて君を見むとは》

⑳84段……世の中にさらぬ別れのなくもがな千よもといのる人の子のため
《世中にさらぬわかれのなくも哉千よもといのる人のこのため》

㉑87段……ぬき乱る人こそあるらし白玉のまなくも散るか袖のせばきに
《ぬきみたる人こそあるらし白玉のまなくもちるかそてのせはきに》

㉒88段……おほかたは月をもめでじこれぞこのつもれば人の老となるもの
《おほかたは月をもめてしこれそこのつもれは人のおいとなる物》

㉓97段……桜花ちりかひくもれ老いらくの来むといふなる道まがふがに
《さくら花ちりかひくもれおいらくのこむといふなるみちまかふかに》

㉔99段……見ずもあらず見もせぬ人の恋しくはあやなく今日やながめ暮らさむ
《見すもあらす見もせぬ人のこひしくはあやなくけふやなかめくらさん》

㉕103段……ねぬる夜の夢をはかなみまどろめばいやはかなにもなりまさるかな
《ねぬる夜の夢をはかなみまとろめはいやはかなにもなりまさる哉》

㉖106段……ちはやぶる神代もきかず竜田河からく
れなゐに水くくるとは
ちはやふる神世もきかすたつた河からくれなゐに水くゝるとは》

㉗107段……あさみこそ袖はひづらめ涙河袖のみひぢて逢ふよしもなし
《あさみこそゝてはひつらめ淚河身さへなかるときかはたのまむ》
※今は「ひつらめ」と清音で読むのが通例。
㉘107段……かずかずに思ひ思はずとひがたみ身をしる雨はふりぞまされる
《かす\/に思ひおもはすとひかたみ身をしる雨はふりそまされる》

㉙123段……年を経て住みこし里を出でていなばいとど深草野とやなりなむ
《年をへてすみこしさとをいてゝいなはいとゝ深草野とやなりなん》

㉚125段……つひにゆく道とはかねてききしかど昨日今日とは思はざりしを
《つゐにゆくみちとはかねてきゝしかときのふけふとはおもはさりしを》


後撰集に業平作として載っている歌は以下の通りです。

①7段……いとどしく過ぎゆくかたの恋しきにうらやましくもかへる浪かな
《いとゝしくすきゆくかたのこひしきにうら山しくもかへるなみかな》

②45段……ゆく螢雲のうへまでいぬべくは秋風ふくと雁につげこせ
《ゆくほたる雲のうへまていぬへくは秋風ふくとかりにつけこせ》

③59段……住みわびぬ今はかぎりと山里に身をかくすべき宿求めてむ
《すみわひぬ今はかきりと山さとに身をかくすへきやともとめてん》

④66段……難波津をけさこそみつの浦ごとにこれやこの世をうみ渡る舟
《なにはつをけさこそみつのうらことにこれやこの世をうみわたるふね》


拾遺集に業平作として載っている歌は以下の通りです。

①61段……染河をわたらむ人のいかでかは色になるてふことのなからむ
《そめ河をわたらむ人のいかてかは色になるてふことのなからん》


★古今六帖に業平作として載っている歌は以下の通りです。(古今集後撰集にも載っている歌は除く)

①44段……出でてゆく君がためにと脱ぎつれば我さへもなくなりぬべきかな
《いてゝゆく君かためにとぬきつれは我さへもなくなりぬへきかな》

②46段……目かるとも思ほえなくに忘らるる時しなければ面影にたつ
《めかるともおもほえなくにわすらるゝ時しなけれはおもかけにたつ》

③49段……うら若みねよげに見ゆる若草をひとの結ばむことをしぞ思ふ
《うらわかみねよけに見ゆるわか草をひとのむすはむことをしそ思》

④77段……山のみなうつりてけふにあふ事は春の別れをとふとなるべし
《山のみなうつりてけふにあふ事ははるのわかれをとふとなるへし》

古語辞典比較〜神(かみ kamï )⑤古語辞典(中型~小型)全訳型

❂要語全訳必修古語辞典(平田喜信編、1992年2月、学習研究社

かみ【神】名
❶〔人の目には見えないが、超自然的能力をもつ存在〕神。
「ゆき副〈そ〉ふ川の━━も([訳]あたりをめぐって流れる川の神も)」〈万・38〉
❷〔神話で、人格化され、国土を創造し支配したとされる存在〕神。
「次に成りませる━━の名は、国之常立〈くにのとこたち〉の━━([訳]次にお生まれになった神の名は、国の常立の神)」〈記・神代〉
❸最高の支配者である天皇を神としてみた語。
「かけまくもあやにかしこし天皇〈すめろき〉の━━の大御代〈おほみよ〉に([訳]口に出して言うのもまことに恐れ多い、祖先の天皇の御代に)」〈万・4111〉[同]現人神〈あらひとがみ〉
❹雷
「━━さへいといみじう鳴り、雨もいたう降りければ([訳]雷までもとてもひどく鳴り、雨も激しく降ったので)」〈伊勢・6〉
❺〔神社の〕祭神。神。
「━━は、松の尾([訳]祭神は、すばらしいのは、松の尾の神社である)」〈枕・神は〉
[参考]①の神は、日常の微細なものから宇宙に至るまでのあらゆるものに、それぞれ宿っているとされ、キリスト教イスラム教などの一神教の神とは異なっている。
[学習の要点]
(1)現代語にはない③④の意味があることに注意しよう。
(2)同訓の「上〈かみ〉」「長官〈かみ〉」と混同しないようにしよう。



❂ベネッセ全訳古語辞典(中村幸弘編、1996年11月、ベネッセコーポレーション

かみ【神】[名詞]
❶自然界の神聖な存在。天地・山河・草木などに宿り、これを支配する精霊。
❷(神として恐れたことから)雷。
「神は落ちかかるやうにひらめきかかるに…。」〈竹取・竜の頸の玉〉
[訳]雷は(船に)落ちかかるようにぴかっと光りかかるので…。
❸人間の力を超越した能力を有するもの。畏怖すべき存在。
「神ならねば、何わざをか仕うまつらむ。」〈竹取・竜の頸の玉〉
[訳](私は)人間の力を超越した能力を有するものではないので、どんなことをして差し上げられようか。
❹神話に出てくる神。
天照大御神〈あまてらすおほみかみ〉」「大国主神〈おほくにぬしのかみ〉」など。
❺神社に祭られ神格化された人やものの霊。祭神。
「北野の神にならせたまひて…。」〈大鏡・時平〉
[訳](菅原道真は)北野(天満宮)の祭神におなりになって…。
天皇を敬った言い方。
〚発展〛❷は「なるかみ」とも。❺は、政治抗争に敗れ、不幸な死に方をした人が祭られることが多い。
※「ベネッセ全訳コンパクト古語辞典」(中村幸弘編、1999年11月、ベネッセコーポレーション)もほぼ同じだが用例・訳・発展は無い。



❂完訳用例古語辞典(金田一春彦監修、小久保崇明編、1999年4月、学習研究社

かみ【神】名詞
❶神。▷人の目には見えないが、超自然的能力をもつ存在。
今昔物語集]31・33「なんぢ、されば、何者ぞ。鬼かかみか」
[訳]ではお前は何者か。鬼か、それとも神か。
❷神。▷神話で、人格化され、国土を創造し支配したとされる存在。
古事記]神代「次に成りませるかみの名は、国之常立〈くにのとこたち〉のかみ」
[訳]次にお生まれになった神の名は、国の常立の神。
天皇。▷最高の支配者である天皇を神格化。
万葉集]29「橿原のひじりの御代ゆ生〈あ〉れまししかみのことごと」
[訳]橿原の天皇(=神武天皇)の御代以来お生まれになった天皇のすべてが。
❹雷。
伊勢物語]6「かみさへいといみじう鳴り、雨もいたう降りければ」
[訳](夜も更けたうえに)雷までとてもひどく鳴り、雨も激しく降ったので。
❺(神社の)祭神。神。
徒然草]52「かみへ参るこそ本意なれと思ひ、山までは見ず」
[訳](岩清水八幡宮〈いわしみずはちまんぐう〉の)祭神へお参りすることが最初からの目的であると思って、山までは見なかった。



❂角川全訳古語辞典(久保田淳・室伏信助編、2002年10月、角川書店

かみ【神】〔名〕
❶天地万物を創造・統治し、人間の知恵でははかり知れない偉大なもの。神様。
[例]天地〈あめつち〉の神も助けよ草枕〈くさまくら〉旅行く君が家〈いへ〉に至るまで〔万葉・4・549〕
[訳]天地の神様もどうか困難をのがれさせてください。(草枕)旅をして行くあなたが無事に家に着くまで。
❷人間の力を超えた能力をもつもの。
[例]神ならねば、何わざをか仕うまつらむ〔竹取・竜の頸の玉〕
[訳](わたしは)人間の力を超えた能力をもつものではないので、どんなことをしてさし上げられようか。
❸神話で、人格化された存在。神武天皇に至るまでの人格神。
[例]天地〈あめつち〉初めて発(あらは)れし時に、高天原〈たかあまのはら〉に成りし神の名は、天之御中主神〈あめのみなかぬしのかみ〉〔古事記・上〕
[訳]天地がはじめてあらわれ(動きはじめ)たときに、高天原に成った神の名は、天之御中主神
天皇を神格化した言い方。
[例]橿原の聖〈ひじり〉の御代ゆ生〈あ〉れましし神のことごと〔万葉・1・29・長歌
[訳]橿原の天皇(=神武天皇)の御代以来お生まれになった天皇のすべての方が。
❺雷。雷鳴。
[例]神さへいといみじう鳴り、雨もいたう降りければ〔伊勢・6〕
[訳]雷までもたいそうひどく鳴り、雨もひどく降ったので。



❂旺文社全訳古語辞典/第三版(宮腰賢・桜井満・石井正己・小田勝編、2003年10月、旺文社)

かみ【神】(名)
❶人間を超えた能力を持つ存在。恐れかしこむべきもの。神。
〔記〕中「この沼の中に住める━━、いとちはやぶる━━なり」
[訳]この沼の中に住んでいる神は、ひどく荒れすさぶ神である。
❷雷。
〔伊勢〕6「━━さへいといみじう鳴り、雨もいたう降りければ」
[訳]雷までもたいそうひどく鳴り、雨も激しく降ってきたので。
❸神話で、国土を創造・支配したとされる神。
〔記〕上「高天の原になれる━━の名は、天之御中主の━━」
[訳](天上界である)高天の原に生まれた神の名は、天之御中主の神。
天皇の尊称。
〔万葉〕1・29「玉たすき畝火の山の橿原の日知〈ひじり〉の御代ゆ生〈あ〉れましし━━のことごと」
[訳]畝火の山の橿原の天皇(=神武天皇)の御代から、お生まれになった天皇のすべてが。(「玉たすき」は「畝火」にかかる枕詞)
🔴発展【神仏習合の世界】
徒然草」第五二段は、仁和寺の老法師が石清水八幡宮を訪ねたつもりで、末寺の極楽寺末社の高良〈こうら〉社を拝んで帰った話である。神社に末寺があるというのは不自然な感じがするかもしれないが、明治の神仏分離令以前には、こうした現象がどこでも見られた。仏教が日本に定着する際、土着の神道を取り込んでいったのである。それを、神仏習合または神仏混交と呼んでいる。
※「旺文社全訳学習古語辞典」(宮腰賢・石井正己・小田勝編、2006年10月、旺文社)もほぼ同じだが、❸・🔴発展は無い。



小学館全文全訳古語辞典(北原保雄編、2004年1月、小学館

かみ【神】〔名〕
〘他の語の上に付いて複合語となる時には「かむ」とも〙
❶天地・自然を創造・統治する偉大なもの。信仰の対象ともなる神聖な超能力的存在。神様。
[例]「天地〈あめつち〉の神も助けよ草枕旅行く君が家に至るまで」〈万葉・4・549〉
[訳]天地の神様も助けたまえ。旅に出るあなたが(目的地の)家に着くまで。
❷(広く)人間を超越した存在。特に、猛獣など、人間に危害を加える恐るべきもの。
天皇を神格化していう語。
[例]「聖の御代ゆ生(あ)れましし神のことごと」〈万葉・1・29長歌
[訳]神武天皇の御代以来お生まれになった天皇のすべてが。
❹(神として恐れたことから)雷。かみなり。
[例]「神さへいといみじう鳴り、雨もいたう降りければ」〈伊勢・6〉
[訳](夜もふけた上に)雷までが大変ひどく鳴り、雨もざあざあ降ってきたので。



❂全訳全解古語辞典(山口堯二・鈴木日出男編、2004年10月、文英堂)

かみ【神】[名]
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天地の創造主。自然や人間を支配する、最高で神聖な存在。人間に対して威力をふるう神秘的な存在であり、脅かしもし加護もする威力を強く発揮する存在とみられてきた。
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❶人間の生命や生活を脅かす威力ある存在。
[例]
(a)玉葛〈たまかづら〉実成らぬ木にはちはやぶる神そつくといふ成らぬ木ごとに
(=実のならない木には神が取りつくという、実のならない木には皆)〈万葉・2・101〉
[読解]
つれない女性を実のならない木にたとえて悪態をついた相聞歌。
(b)これ、鬼の人に変じて来たりてだむぜるか、また神の嗔〈いかり〉をなして、重ねて祟りをなせるか
(=これは、鬼が人に化けてやって来て食い殺したのか、または神が怒って加えて祟りをしたのか)〈今昔・20・37〉
❷人間の運命をつかさどる存在。人間を守護する存在。祈願の対象となる。
[例]
かからずもかかりも神のまにまにと立ちあざり我〈あれ〉乞ひ禱〈の〉めど
(=我が子の病気が治らないのも治るのも神のおぼしめしのままだと、取り乱して私は祈るが)〈万葉・5・904〉
❸道や坂・峠・川・海峡などの交通の難所を、畏怖の念をこめていう。
[例]
昔、この川の西に荒ぶる神ありて、路行く人、多〈さは〉に殺され
(=昔、この川の西に暴威をふるう神がいて、通行人は、多く殺され)〈肥前風土記
❹雷。「なるかみ」とも。
[例]
神鳴りひらめく
(=雷が鳴り稲妻が一瞬光る)〈源氏・須磨〉
天皇を、人間の力を越えた絶対的な支配者として畏敬の念をこめていう。
[例]
大君は神にしませば天雲の雷〈いかづち〉の上に廬〈いほ〉りせるかも
(=天皇は神でいらっしゃるから、空の雲に鳴る雷の上に仮の宮殿を建てて宿っていらっしゃることだ)〈万葉・3・235〉
[読解]
天皇行幸した雷〈いかづち〉の丘を雷神と見なして、天皇は神であるから、それさえも支配すると讃えた。
❻山・川や、地方の国々を領有している存在。
[例]
神武天皇ハ)荒ぶる神らを言向〈ことむ〉け平和〈やは〉し、伏〈まつろ〉はぬ人らを退〈そ〉け撥〈はら〉ひて
(=暴威をふるう神どもを服従させ平定し、従わない者どもを撃退して)〈記・中・神武〉
❼人間の時代以前に、天上・地上を支配したと考えられた存在。
[例]
天照〈あまて〉らす神の御代より
(=天照大御神のお治めになった昔から)〈万葉・18・4125〉
〚語誌〛
▶❶には、「韓国〈からくに〉の虎といふ神を」〈万葉・16・3885〉のように、虎・狼・蛇などの猛獣に対しても畏怖の念をこめて「神」という例もある。
▶❷には、生死をつかさどることや正邪を知り尽くすこと、男女の出会いと離別、旅の安全などをつかさどることも挙げられる。この意の神は『万葉集』では、多く「天地〈あめつち〉の神」と呼ばれる。平安時代は、春日・賀茂・住吉などの特定の社の神が意識されるようになるとともに、「仏神〈ほとけかみ〉」「神仏〈かみほとけ〉」と仏と並べられ、加護を求める対象としての性格を強める。さらに中世には仏の仮の姿とみなすことも広まる。《小川靖彦》

古語辞典比較〜神(かみ kamï )⑥国語辞典

言海大槻文彦編、1889年5月、六合館)

かみ(名)[神]〔上〈カミ〉ノ義カ、或云、赫身〈カガミ〉ノ約カト〕
㈠形ナク、靈〈タマ〉アリ、無上自在ノ通アリテ、或ハ世ニ禍福ヲモナシ、又、人ノ善惡ノ行ニ、加護冥罰ヲモナスモノ。
㈡往代ノ帝王、聖賢、英雄、等ノ死後ノ魂ヲ祀レルモノ。
㈢スベテ、人ノ智ニテハ測リ知ラレザル事。
「━━ノ如シ」「━━事(ゴト)」
㈣ナルカミ。イカヅチ。雷。



❂大辭典(上田萬年・新村出橋本進吉松井簡治・吉澤義則他編纂、1935年8月、平凡社

カミ 神 
語原に諸説あり。加牟加美〈かむがみ〉・鑑・照覽の略(忌部正通)。鏡〈かがみ〉の略(契沖・山崎闇齋・度會延佳・吉川惟足等)。明見〈あかみ〉の略(谷川士清)。上〈かみ〉の義。(新井白石・貝原益軒・賀茂眞淵・伊勢貞丈・小山田與淸・藤原時繩・谷重遠・チェンバレン・アストン等)。
❶我國開闢より神武天皇以前までの代に存在した方々の稱。
記・上「天地初發之時、於高天原成神名、天之御中主神……高御産巢日神、次神産巢日神、此三柱神氏者、竝獨神成坐而、隱身也」
神代紀・上「天先成而地後定、然後神聖〈かみ〉生其中焉」
同「天地混成之時、始有神人〈かみ〉焉、號可美葦牙美彦舅尊」
❷天象・地儀・鳥獣・草木等人に驚異の感を懐かせる物を畏敬していふ語。
欽明紀・前紀「臣向伊勢、商價來還、山逢二狼相闘汚血、乃下馬洗漱口手、祈請曰、汝是貴神〈かしこきかみ〉、而樂麁行〈このむあらわざ〉、儻〈もし〉逢獵士、見禽尤速、乃抑止相闘、拭洗血毛、遂遣放之、倶令全命」
出雲風土記・楯縫郡「神名樋〈かんなび〉山、郡家東北六里一百六十歩……嵬西〈だけのにし〉有石神、高一丈、周一丈許、側有小石神百餘許」
萬葉三「こちごちの國のみ中ゆ、出で立てる、不盡の高嶺は……言ひもかね、名づけも知らに、靈しくも、坐す神かも」
❸人間以上の威力を備へた靈的實在。
欽明紀・二年七月「精誠通靈〈かみ〉」
萬葉二〇「天地のいづれの可美を祈らばか、愛〈うつく〉し母にまた言問はむ 大伴部麻與佐」
同「ちはやぶる賀美〈かみ〉の御坂に幣奉り齋ふいのちは父母がため 神人部子忍男」
源氏・須磨「うき世をば今ぞ別るるとどまらむ名をばただすの神にまかせて」
新拾遺・戀四「岩橋の絶えにし中を葛城の神ならぬ身はなほも待つかな 源和義」
天皇。現人神の意より直ちに神とのみ申す。
記・下「呉床坐〈あぐらゐ〉の、加微〈かみ〉の御手もち、彈く琴に舞する女、常世にもがも 雄略天皇
萬葉・二「梓弓……天皇の、神の御子の、御駕〈いでまし〉の、手火の光ぞ、幾許〈ここだ〉照りたる」
同・三「皇神祖〈すめろぎ〉の、神の命の、敷きます、國のことごと、湯はしも、多にあれども
山部赤人
❺人の死後、神社に祀られた靈。
廿二社本縁・北野社[平安]「此神和大宰府乃天滿宮仁天坐寸、彼額仁天滿宮安樂寺都阿里」
❻基督教に於て、宇宙を創造し支配すると考へる全智・全能の唯一主宰者。ヘブル民族に在っては神は特に人類に對して人格的倫理的交渉を保ち、世界及び歴史の創造者として考へられたが、この場合、特にかかる超越的事實をその選民たる同民族に啓示せる神としてこれをヤーヴェ Jahweh と呼んだ。この観念は更に精練して基督教に繼承され、茲では特に人類の救世主たるイエス・キリストの父と呼ばれている。
人智にて測り知ることの出來ぬ物事。かみごと。
❽なるかみの略。いかづち。かみなり。
記・中「道の後〈しり〉、古波陀孃子〈をとめ〉を、迦微〈かみ〉のごと、聞えしかども、相枕まく 大鷦鷯尊」
萬葉一一「天雲の八重雲がくり鳴る神の音のみにやも聞き渡りなむ」
同一二「神のごと聞ゆる瀧の白浪の面知る君が見えぬ此の頃」
大鏡・時平傅「北野のかみにならせ給ひて、いとおそろしくかみなりひらめき清涼殿におちかかりぬと見えけるに」



広辞苑/初版(新村出編、1955年5月、岩波書店

かみ【神】
①宗教的信仰の対象。人間を超越した威力者。冥々の間に存在して、不可思議の能力を有し、人類に禍福を降すと思惟せられる霊。即ち宗教上帰依し畏怖せられる対象。
キリスト教において、全知全能で宇宙を創造し支配する唯一絶対の主宰者。上帝。天帝。
神武天皇の建国以前の我国土の統治者たち。
④歴代の天皇の尊称。
⑤神社に奉祀される霊。
⑥神に召されて葬られた者の霊魂。
⑦人知を以てはかることのできぬもの。
⑧恐るべき者。
⑨なるかみ。雷鳴。



❂国語大辞典(尚学図書編、1981年12月、小学館

かみ【神】
①宗教的・民俗的信仰の対象。世に禍福を降し、人に加護や罰を与える霊威。古代人が、天地万物に宿り、それを支配していると考えた存在。自然物や自然現象に神秘的な力を認めて畏怖(いふ)し、信仰の対象にしたもの。
万葉‐3682「天地(あめつち)の可未(カミ)を祈(こ)ひつつ我待たむ」
②神話上の人格神。
古事記‐上「高天(たかま)の原に成りませる神の名は」
天皇、または天皇の祖先。
万葉‐235「大君は神にしませば」
④死後に神社なとにまつられた霊。また、その霊のまつられた所。神社。
枕-287「神は松の尾」
キリスト教で、宇宙と人間の造主であり、すべての生命と知恵と力との源である絶対者。
⑥雷。なるかみ。いかずち。
枕-99「神いとおそろしう鳴りたれば」
⑦人為を越えて、人間に危害を及ぼす恐ろしいもの。特に蛇や猛獣。
万葉-3885「虎といふ神を」
⑧他人の費用で妓楼に上り遊興する者。とりまき。転じて、素人の太鼓持。江戸がみ。



新明解国語辞典/第四版(山田忠雄編集主幹、1990年、三省堂

かみ【神】
㈠絶対的な超能力を持ち、自然界・人間界を左右するものと考えられた創造主。〔人間の形を取るが、多く、在天の存在とされ、配下に万般の事象を分掌する「神㈡」を従え、共に信仰の対象となる〕
「━━のみぞ知る・━━に祈るような気持・━━も仏も無いのか?」
㈡その国の神話で活躍し、今に語り継がれる存在。〔わが国では、特定の物故者の霊と共に神社に祭られる〕
「愛・(美・酒)の━━:学問の━━・勝利の女━━」
[かぞえ方]一柱(ヒトハシラ)



❂新世紀ビジュアル大辞典(金田一春彦石毛直道村井純監修、北宗平編集、1998年11月、学習研究社

かみ【神】
①宗教的な崇拝または信仰の対象となるもの。超人的な能力をもち、人類に禍福を与えると考えられているもの。god
②日本神話・神道(しんとう)の語。
神武天皇以前の日本に存在したとされる人たち。
㋑神社に祭られた霊。
靖国(やすくに)の━━となる」
③現人神(あらひとがみ)。
④〔仏〕仏に正法(しょうぼう)護持を誓った善天。善神。
キリスト教で、全知全能で宇宙を創造、支配するする唯一の絶対者。天帝。上帝。ゴッド(God)。
ユダヤ教ヤハウェ
⑦人知をもってはかり知ることのできないもの。
⑧恐るべきもの。
⑨鳴神(なるかみ)。雷鳴。

古語辞典比較〜神(かみ kamï )③古語辞典(中型~小型)一般用〜岩波・学研新他

❂学研古語辞典(吉沢典男編、1968年9月、学習研究社

かみ【神】〘名〙
①「天皇」を尊敬していうことば。「橿原(かしはら)の日知(ひじり)の御代ゆ生(あ)れましし神のことごと……天の下知らしめししを」〔万・29〕
②雷。「神さへいといみじう鳴り、雨もいたう降りければ、」〔伊勢・6〕[同]いかづち。なるかみ。
③[近世]「太鼓持ち(たいこもち)」の別名。
※「学研要約古語辞典」(1987年11月)も同じ。



講談社古語辞典(佐伯梅友・馬淵和夫編、1969年12月、講談社

かみ【神】(名)
①神。「八百万(やほよろづ)の━━」〈記・神代〉
②[天皇アマテラスオオミカミの子孫とすることから]天皇の尊称。「生(あ)れましし━━のことごと……天の下知らしめししを」〈万・29〉「すめろぎの━━の命(みこと)」〈万・4089〉
③人力を超越した動物。霊感を与える自然。「韓国(からくに)の虎(とら)といふ━━を生け取りに八頭(やつ)取り持ち来(き)」〈万・3885〉
※「講談社学術文庫古語辞典」(1979年3月)も同じ。 



❂新選古語辞典/新版(中田祝夫編、1974年2月、小学館

かみ【神】〔名〕〘語源不詳。高く霊なるものの義か〙
①この世界を創造し、生育し、支配する最高で神聖な存在。
天皇を神格化していう語。「橿原(かしはら)のひじりの御代ゆ、生(あ)れましし━━のことごと」〈万・29〉
③すべて強力で人力を超越した存在。「(オオカミニ対シ)『汝(な)は是貴(かしこ)き━━』」〈欽明紀・即位前〉。「(富士山ハ)霊(くす)しくもいます━━かも」〈万・319〉。
④かみなり。「━━のごと聞こゆる滝の白波」〈万・3015〉。
⑤近世、太鼓持ち・取り巻き連中の異称。



❂岩波古語辞典/初版(大野晋佐竹昭広・前田金五郎編、1974年12月、岩波書店

かみ【神】《古形カムの転。奈良時代の発音ではカミ(神)は kamÏ 、カミ(上)は kami で別であったから、カミ(上)にいるからカミ(神)というとする語源説は成立し難い》
❶《上代以前では、人間に対して威力をふるい、威力をもって臨むものは、すべてカミで、カミは人間の怖れと畏みの対象であった。人間はこれに多くの捧げ物をして、これがおだやかに鎮まっていることを願うのが基本的な対し方であった》
①雷・虎・狼・蛇など、荒れると人間に対して猛威をふるうもの。「伊香保嶺(ね)に━━な鳴りそね」〈万3421〉。「韓国の虎とふ━━を生け取りに八頭(やつ)取り持ち来」〈万3885〉
②姿が人間の目に見えず、威力を持ち、時に人間にとりつき、神がかりするもの。「丈夫(ますらを)に憑(つ)きたる━━そよく祭るべき」〈万406〉。「『吾は……葛城の一言主(ひとことぬし)の大━━そ』と申しき。天皇ここに惶畏(かしこ)みて白(まを)さく『恐し、我が大━━。〔姿ノ見エル〕うつしおみにましまさむとは思はざりき』と申して……故(かれ)この一言主の大━━は彼(そ)の時に顕はれたまひしなり」〈記雄略〉
③山・坂・川・海・道などを領有し、鎮座して、そこを通行する人間に威力をふるうもの。それに対して人間は通行の許しを乞うて幣(ぬさ)などを奉る。「鳥が鳴く東(あづま)の国の恐(かしこ)きや━━の御坂に」〈万1800〉。「玉桙の道の━━たち幣(まひ)はせむ」〈万4009〉
④天上界を支配し、森や木に降下してくるもの。「天つ神」といわれ、「国つ神」と共に地上を統治する権力を持ち、また、社会生活を平穏に保つ力があると信じられた。人間はこれを統治者の祖先と認め、また、降雨・鎮風・鎮火・戦乱平定などを祈った。「是に左の御目を洗ひたまふ時に成れる━━の御名は天照大御神(あまてらすおほみかみ)」〈記神代〉
⑤地域を領有して支配するもの。「越(こし)の中国内(くぬち)ことごと山はしもしじにあれども川はしもさはに行けども、すめ━━のうしはきいます新川のその立山に」〈万4000〉。「幣帛を五畿内の群神(かみたち)に奉る。其の丹生の河上の━━には黒毛の馬を加ふ。旱(ひでり)すればなり」〈続紀天平宝字7・5・28〉。「越前国言(まう)す、山災止まずと。使を遣はして部内の━━に奉幣して之を救ふ」〈続紀慶雲3・8・3〉。「薩摩隼人を征する時に、大宰、部する
所の━━九処に禱祈る」〈続紀大宝2・10・3〉
⑥最高の支配者。天皇。「大君は━━にしませば天雲の雷(いかづち=雷丘)の上に廬(いほ)らせるかも」〈万235〉
⑦祖先神。「大倭忌寸五百足(おほやまとのいみきいほたり)を以て氏の上と為し、━━の祭を主(つかさど)らしむ」〈続紀和銅7・2・9〉
❷《平安時代以後、古いカミの観念の大部分は引きつがれたが、奈良時代に始まる本地垂迹〈ほんぢすいしやく〉の説が広まり、仏とカミとに多少の融合が起り、カミは荒荒しく威力をふるう存在としてよりも、個個人の行為に禁止や許可を与える面が強く現われる。しかし仏が人間を救い、教導し、法を説くものとして頼られたのに対し、カミは好意・親愛の念で対されることなく、場合によっては鬼・狐・木魂と同類視されて畏れ憚られた。また、中世末期キリスト教の伝来に際し、デウスはカミと訳されず、日葡辞書のカミの項には「日本の異教徒の尊ぶカミ」とだけ説明されている》
①人間の行動を禁じたり判定したりするもの。「争へば━━も憎ます」〈万2659〉。「霊(たま)ぢはふ━━も我をば打棄(うつ)てこそ(見捨テテ下サイ)しゑや命の惜しけくも無し」〈万2661〉。「━━のいさむる〔道〕よりもわりなし」〈源氏浮舟〉
②仏の化身。本地垂迹説では、神は仏がこの世(日本)にあらわれた仮の姿であるとされる。「誠に跡を垂れ給ふ━━ならば、助け給へ」〈源氏明石〉。「大海江河等の━━も、皆各懺悔を至して所居に還りぬ」〈今昔3ノ34〉
③㋑鬼や狐などの類。人間をおびやかすもの。「狐は、さこそは人をおびやかせど……鬼か、━━か、狐か、木魂か」〈源氏手習〉
㋺強くて勇武なもの。「鬼にも━━にも逢はうといふ一人当千の兵(つはもの)なり」〈平家9・木曽最後〉。「〔勇武ニヨッテ〕名を後代にあげ、今は━━と祝はれたる鎌倉権五郎景政が四代の末葉」〈保元中・白河殿攻め落す〉
▶世界の神観念には垂直に降下する神と、水平に移動する神があるとされる。わが国には後者にあたる、人間を訪れて来て、去る神もあったというが、古典には、それはカミの語で表現されてはいない。
✝ kamÏ
※「補訂版」(1990年2月)も同じ。



❂例解古語辞典/初版(佐伯梅友・森野宗明・小松英雄編著、1980年1月、三省堂

かみ【神】〈名〉
❶「天〈あま〉つ神」や「国つ神」など、天上や地上を統治するもの、自然界にあって山・海などに宿り、それを支配するものなど、人間に対して危害や加護を加えると思われる神聖なもの。神。
[用例]「━━など、空に(=空カラ)めでつべき容貌〈かたち〉かな」〔源氏・紅葉賀〕
[解]光源氏の顔かたちについていったところ。
天皇に対する敬称。
[用例]「山川も依〈よ〉りて仕ふる━━の御代〈みよ〉かも」〔万葉1・38・人麿〕
❸恐怖の対象となるような恐ろしいものをさしていう語。
[用例]「韓国〈からくに〉の虎〈とら〉といふ━━を生け捕りに」〔万葉16・3885〕
❹【雷】かみなり。
[用例(a)「━━鳴り静まらで、日ごろ(=数日)になりぬ」〔源氏・明石〕
[用例(b)「夜に入りて━━鳴り、雨しきりに降りて、臥〈ふ〉せる上より漏〈も〉り」〔奥の細道・飯坂〕
※「第二版」(1985年1月)も同じ。



❂例解古語辞典/三版(佐伯梅友顧問、小松英雄鈴木丹士郎土井洋一・林史典・森野宗明編著、1992年11月、三省堂

かみ【神】〈名〉
❶「天〈あま〉つ神」や「国つ神」など、天上や地上を統治するもの、自然界にあって山・海などに宿り、それを支配するものなど、人間に対して加護、ときには危害を加えると思われる神聖なもの。神。
[用例]「海賊の恐りありと言へば、━━、仏を祈る」〔土佐・一月二十三日〕
天皇に対する敬称。
[用例]「山川も依りて仕ふる━━の御代かも」〔万葉1・38・人麿〕
❸恐怖の対象となるような恐ろしいもの。
[用例]「韓国(からくに)の虎(とら)といふ━━を生け捕りに」〔万葉16・3885〕
❹【雷】かみなり。
[用例(a)「━━鳴り静まらで、日ごろ(=数日)になりぬ」〔源氏・明石〕
[用例(b)「夜に入りて━━鳴り、雨しきりに降りて、臥〈ふ〉せる上より漏〈も〉り」〔奥の細道・飯坂〕



❂学研新古語辞典(市古貞次編、1986年12月、学習研究社

かみ【神】{名}
❶〔人の目には見えないが、超自然的能力をもつ存在〕神。「ゆき副(そ)ふ川の━━も大御食(おほみけ)に仕へまつると」〈万・38〉
❷〔神話で、人格化され、国土を創造し支配したとされる存在〕神。「次に成りませる━━の名は、国之常立(くにのとこたち)の━━」〈記・神代〉
❸最高の支配者である天皇を神としてみた語。「かけまくもあやにかしこし天皇(すめろき)の━━の大御代(おほみよ)に」〈万・4111〉[同]現人神(あらひとがみ)
❹雷。「━━のごと聞こゆる滝(たき)の白波の」〈万・3015〉「━━いたう鳴り騒ぐ暁に」〈源・賢木〉
❺神社の祭神。「━━は、松の尾」〈枕・神は〉
❻江戸時代、遊里の外に住み、遊客の供をする取り巻き連中。「幇間(おたいこ)だの、━━だのといふ者がしみじみ憎いよ」〈滑・浮世風呂・2下)



❂ベネッセ古語辞典(井上宗雄・中村幸弘編、1997年11月、ベネッセコーポレーション

かみ【神】〔名〕
❶自然界の神聖な存在。天地・山河・草木などに宿り、これを支配する精霊。
「山の━━、河の━━、また穴戸の━━を、皆言向〈ことむ〉け和〈やは〉して」〈記・中〉
❷雷。雷神。
「━━の鳴りつる音になむ」〈蜻蛉・中〉
❸強いもの。恐ろしいもの。畏怖すべき存在。
「獣といへどもこれ━━なり」〈今昔5・17〉
❹神話に出てくる神。
大国主の━━の兄弟、八十神〈やそがみ〉ましき」〈記・上〉
❺神社に祭られ神格化された人や物の霊。「(菅原道真は)北野の━━にならせ給ひて」〈大鏡・2〉
天皇の敬称。
天皇〈すめろき〉の御子のいでましの手火〈たび〉の光そここだ照りたる」〈万2・230〉
❼[遊里語]遊客のとりまきの異称。幇間
《事典》
かみ【神】[宗教]
一般に、人間を超えた力をもつ霊的存在をいう。八百万〈やおよろず〉の神、八十万〈やそよろず〉の神ということばもあるように、、古来、日本では山川・草木など森羅万象に神々が宿ると信じられた。こうした多くの神々を祭ることによって、生活の安寧を願った。この土着の神に対して、異郷から時を定めて来訪し、幸せをもたらす客神〈まろうどがみ〉の存在も信じられた。このような神々が零落して、オニ・モノ・タマとなり、一方で神格化され『古事記』『日本書紀』にみえる神々となったと考えられる。



❂古語林(林巨樹・安藤千鶴子編、1997年11月、大修館書店)

かみ【神】(名)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
高天原〈たかまのはら〉に成れる神の名は、天之御中主〈あめのみなかぬし〉の神
高天原に現れ出た神様の名は、天の御中主の神]
 〈記・上〉
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
❶天地自然を創造・統治する偉大なもの。
[例]天地〈あめつち〉の神も助けよ
[天地の神様も助け給え]〈万・4〉
❷人間の力を越えた強いもの・恐ろしいものなど。
[例]獣といへどもこれ神なり
[獣といってもこれは人間の力を越えた強いものである]〈今昔・5〉
❸神社にまつられ神格化された人や物の霊。
[例]北野の神にならせ給ひて
[北野神社の霊とおなりになって]〈大鏡・時平〉
❹雷。いかずち。
[例]鬼ある所とも知らで、神さへいといみじう鳴り
[鬼のいる所とも知らずに、雷までたいへん激しく鳴り]〈伊勢・6〉
❺〔尊敬語〕天皇の敬称。
[例]橿原のひじりの御世ゆ生〈あ〉れましし神のことごと
[橿原の天皇(=神武天皇)の御代以来お生まれになった天皇のすべての方々が]〈人麻呂・万・1〉



三省堂詳説古語辞典(秋山虔渡辺実編、2000年1月、三省堂

かみ【神】[名]〘他の語の上に付いて複合語を作るときには「かむ」とも〙
❶天地万物を創造・支配する神聖で偉大な存在。人間の知恵でははかりしれない能力をもち、宗教的民族的信仰の対象となる存在。神。
[例]「天地〈あめつち〉の神を乞ひつつ我〈あれ〉待たむはや来ませ君待たば苦しも」〈万葉・15・3682〉
❷神話の中で、人格化され、国土を創造・支配したとされる存在。人格神。神。
❸広く人間の能力を超越した畏怖すべき存在。幸福をもたらして加護を与える超越的存在。災いをもたらして罰を与える超越的存在。また、とくに、猛獣など、人間に危害を加える恐ろしいもの。
[例]「韓国〈からくに〉の虎といふ神を生け捕りに八つ捕り持ち来〈き〉」〈万葉・16・3885長歌
天皇を神格化していう語。天皇の尊称。
[例]「玉だすき 畝火〈うねび〉の山の 橿原の 聖の御代ゆ 生〈あ〉れましし 神のことごと つがの木の いや継ぎ継ぎに 天の下 知らしめししを 天〈そら〉にみつ 大和を置きて あをによし 奈良山を越え いかさまに 思ほしめせか 天離〈あまざか〉る 鄙〈ひな〉にはあれど 石走〈いはばし〉る 近江〈あふみ〉の国の 楽浪〈ささなみ〉の 大津の宮に 天の下 知らしめしけむ 天皇〈すめろき〉の 神の尊〈みこと〉の 大宮は ここと聞けども 大殿は ここと言へども 春草の 繁く生ひたる 霞立ち 春日〈はるひ〉の霧〈き〉れる ももしきの 大宮所 見れば悲しも」〈万葉・1・29長歌柿本人麻呂
[訳]たすきのような畝傍山の、そのふもとにある橿原で即位された天皇の、その御世いらい神としてこの世に姿を現された歴代の天皇たちが、つがの木のように次々とあの地で天下を治められてきたのに、〔そらにみつ〕そのすばらしい地を捨てて、〔あをによし〕奈良山を越え、いったいどうお考えになってなのか、畿内を離れたいなかではあるが、〔いはばしる〕近江の国の、楽浪の、大津の宮で、天下を治められたという、その天皇の宮殿はここだと聞くけれど、その御殿はここだというけれど、春草が茂り生えている、霞が立って春の日がおぼろに霞んでいる、荒涼とした〔ももしきの〕宮殿の廃墟、そこを見ると悲しいことだ。
❺死後に神社などに祭られた霊。祭神。また、その霊が祭られた神社。
❻(神のように恐れたことから)雷神。雷。雷鳴。
[例]「神さへいといみじう鳴り」〈伊勢・6〉

古語辞典比較〜神(かみ kamï )②古語辞典(中型~小型)一般用〜明解・新明解・角川・角川新版・旺文社

❂明解古語辞典/初版(金田一春彦編修主任、1953年4月、三省堂

かみ【神】(名)
①雷。「━━は、落ちかかるやうにひらめきかかるに」〔竹取〕。
②江戸後期の江戸語。取巻きの者。お太鼓をたたく者。「手めえを━━に連れていったぢゃあねえか」〔一九・膝栗毛〕。
※「改訂版(1958年4月)」も同じ。



❂新明解古語辞典/第二版(金田一春彦編者代表、1977年12月、三省堂

かみ【神】(名)
❶超人的な存在。目には見えないが、超能力を有し、人間にさまざまの禍福を与えると信じられてきた。
❷雷や猛獣など、人間に脅威を与えるもの。「━━(=雷)は、落ちかかるやうにひらめきかかるに」〔竹取〕。「韓国(からくに)の虎とふ━━を」〔万16・3885〕
❸神話に出てくる人格神。
❹強いもの、恐ろしいものの代表。「鬼にも━━にも逢はうどいふ一人当千の兵(つはもの)なり」〔平家9木曽〕
❺〘幇間(ほうかん)を「末社(まっしゃ)」ということから転じて〙後期の江戸語。遊郭に所属しない太鼓持ち幇間。また、「とりまき」の意。「手めえを━━に連れていったぢゃあねえか」〔一九・膝栗毛3下〕。
〚参考〛古代の日本人は多神教で、山・海・道などにはそれぞれ神がおり、雷や猛獣は神の現われとし、天皇はそのままで生きた神であり、偉人は死ぬと神になると考えた。そうしてこれらの神の意に逆らわぬようにつとめ、その殿堂を建て、祭りをし、祈り、種種のささげ物をした。
※「第三版(1995年1月)」もほぼ同じだが❺の「幇間」の前に[語誌]が挿入されている。



❂角川古語辞典/初版(武田祐吉久松潜一編、1958年3月、角川書店

かみ【神】「名」
天皇の尊敬語。「すめろぎの━━のみことの、大宮は」〔万29〕。
②神聖なもの。恐れかしこむべきもの。「からくにの虎といふ━━を」〔万3885〕。
③なるかみ。雷。「伊香保ねに━━な鳴りそね」〔万3421〕。
太鼓持ち。取巻き連中。「お太鼓だの━━だのといふ者が(略)憎いよ」〔三馬・浮世風呂〕。



❂角川古語辞典/改訂版35刷(武田祐吉久松潜一編、1964年1月、角川書店

かみ【神】名
①神聖なもの。自然を支配し、つかさどる存在。「天地(あめつち)の━━も助けよ」〔万・549〕
②「天皇」の尊敬語。「天皇(すめろぎ)の━━の尊(みこと)の大宮は」〔万29〕
③恐れかしこむべきもの。「からくにの虎といふ━━を生けどりに」〔万3885〕
④雷。雷鳴。「伊香保嶺(いかほね)に━━な鳴りそね」〔万3421〕
⑤遊客の取り巻きとなって遊里に入り込む人。「わる井思庵、北里喜之介なにぞ━━つれ」〔黄・艶気樺焼〕
※改訂版85刷(1966年1月)もほぼ同じ。



❂角川新版古語辞典(久松潜一・佐藤謙三編、1972年12月、角川書店

かみ【神】名
人間を超越する能力を持つとされる神聖な存在。多く、宗教的信仰の対象とされた。
❶おもに自然界にあって、人間に禍福をもたらすとされたもの。また、それを類推させるような形態を備えたもの。
①天地・山川・草木などに宿り、これを支配する精霊。「天地(あめつち)の━━も助けよ」〔万4・549〕「(富士山ハ)霊(くす)しくもいます━━かも」〔万3・319〕
②恐れかしこむべきもの。「韓国(からくに)の虎(とら)とふ━━」〔万16・3885〕「汝(な)〈=狼〉はこれかしこき━━」〔欽明紀〕
③〘雷鳴・電光などを神の行為とみるところから〙雷。「伊香保嶺(いかほね)に━━(可未〈乙〉)」〔万14・3421〕
❷日本神話で、国土の創造・支配にあずかるとされたもの。また、それを類推させるような形態を備えたもの。
①神代に登場する神々。「やちほこの━━(迦微〈乙〉)のみこと」〔記謡2〕
②〘天皇を現人神(あらひとがみ)とみるところから〙天皇の尊敬語。「あぐらゐの━━(迦微〈乙〉)のみ手もち」〔記謡96〕「天皇(すめろき)の━━のみことの大宮は」〔万1・29〕
③神社に祭られ神格化された人・物の霊。「北野の━━〈=菅原道真〉にならせ給ひて」〔大鏡・時平〕
④〘近世語〙〘「大尽(だいじん)」が大神と音を通ずるところから〙遊里で、遊客(=大尽)を取り巻く連中。たいこもち。末社。「わる井思庵・北里喜之介なにぞ━━つれ」〔黄・艶気樺焼〕
〚補注〛語源を上(かみ)とする説があるが、上代特殊かなづかいで「神」の「み」は乙類、「上」の「み」は甲類に区別して表記しているから別語。また複合語をつくる場合、「かむ」となることもある。



❂旺文社古語辞典/増補版(守随憲治・今泉忠義校閲、鳥居正博編集責任、1962年2月、旺文社)

かみ[神](名)
神武天皇以前のわが国土の統治者たち。「やちほこの━━のみことは」〈記・上〉
②神聖で侵すことのできないもの。恐れかしこむべきもの。「あめつちの━━をこひつつあれ待たむ」〈万3682〉
天皇の尊敬語。「すめろぎの━━の大御代に」〈万4111〉
④死後に神社などに祭られた霊。
⑤雷。いかずち。「暮れぬれば、━━少し鳴りやみて」〈源・須磨〉
幇間(ほうかん)。取巻き連中。「お太鼓だの、━━だのといふものが、しみじみ憎いよ」〈浮世風呂



❂旺文社古語辞典/中型新版(守随憲治・今泉忠義監修、鳥居正博編集責任、1965年2月、旺文社)

かみ[神](名)
神武天皇以前のわが国土の統治者たち。「やちほこの━━のみことは」〈記・上〉
②神聖で侵すことのできないもの。恐れかしこむべきもの。「あめつちの━━をこひつつあれ待たむ」〈万3682〉
③人間を越えたある強大な力をもつ存在。「この沼の中に住める━━、いとちはやぶる(=猛威ヲフルウ)━━なり」〈記・中〉
天皇の尊敬語。「すめろぎの━━の大御代に」〈万4111〉
⑤死後に神社などに祭られた霊。
⑥雷。いかずち。「暮れぬれば、━━少し鳴りやみて」〈源・須磨〉
幇間(ほうかん)。取巻き連中。「お太鼓だの、━━だのといふものが、しみじみ憎いよ」〈浮世風呂



❂旺文社古語辞典/新版(松村明今泉忠義・守随憲治編、1981年10月、旺文社)

かみ【神】(名)
①日本神話で、国土を創造し支配した存在。神代に登場する神々。「やちほこの━━のみことは」〈記・上〉
②神聖で侵すことのできないもの。恐れかしこむべきもの。「天地(あめつち)の━━をこひつつあれ待たむ」〈万・15・3682〉
③人間を越えたある強大な力をもつ存在。「ただのねずみに非(あら)ず。獣と言へど此れ━━なり」〈今昔・5・17〉
天皇の尊称。「皇神祖(すめろき)の━━の大御代に」〈万・18・4111〉
⑤死後に神社に祭られた霊。
⑥雷。いかずち。「雨降りて、━━いとおそろしう鳴りたれば」〈枕・五月の御精進のほど〉
⑦〘遊里語〙大尽(=客)を大神に見たて、それをとりまく幇間(ほうかん)・末社(取リ巻キ)をいう。=客人の神。「お太鼓だの、━━だのといふものが、しみじみ憎いよ」〈浮世風呂



❂旺文社古語辞典/改訂新版(松村明・山口明穂・和田利政編、1988年10月、旺文社)

かみ【神】(名)
①日本神話で、国土を創造し、支配した存在。神代に登場する神々。「やちほこの━━のみこと」〈記・上〉
②神聖で侵すことのできないもの。恐れかしこむべきもの。「天地(あめつち)の━━をこひつつあれ待たむ」〈万・15・3682〉
③人間を超えたある強大な力をもつ存在。「ただのねずみに非(あら)ず。獣と言へど此れ━━なり」〈今昔・5・17〉
天皇の尊称。「皇神祖(すめろき)の━━の大御代に」〈万・18・4111〉
⑤死後に神社に祭られた霊。
⑥雷。いかずち。「鬼ある所とも知らで、━━さへいといみじう鳴り」〈伊勢・6〉
⑦〘遊里語〙大尽(=客)を大神に見たて、それをとりまく幇間(ほうかん)・末社(取リ巻キ)のこと。=客人の神。「幇間(おたいこ)だの、━━だのといふ者が、しみじみ憎いよ」〈浮世風呂



❂旺文社古語辞典/第九版(松村明・山口明穂・和田利政編、2001年10月、旺文社)

かみ【神】(名)
①神話で、国土を創造し、支配した存在。神代に登場する神々。「やちほこの━━のみこと」〈記・上〉
②神聖で侵すことのできないもの。恐れかしこむべきもの。「天地(あめつち)の━━を祈(こ)ひつつ吾(あれ)待たむ」〈万・15・3704〉
③人間を超えたある強大な力をもつ存在。「ただのねずみに非(あら)ず。獣と言へど此れ━━なり」〈今昔・5・17〉
天皇の尊称。「皇神祖(すめろき)の━━の大御代に」〈万・18・4135〉
⑤死後に神社に祭られた霊。
⑥雷。いかずち。「鬼ある所とも知らで、━━さへいといみじう鳴り」〈伊勢・6〉
⑦〘遊里語〙大尽(=上客)の取り巻きのこと。大尽を大神に見たてていう。「幇間(おたいこ)だの、━━だのといふ者が、しみじみ憎いよ」〈浮世風呂



❂旺文社古語辞典/第十版(松村明・山口明穂・和田利政編、2008年9月、旺文社)

かみ【神】(名)
①神話で、国土を創造し、支配した存在。神代に登場する神々。「やちほこの━━のみこと」〈記・上〉
②神聖で侵すことのできないもの。恐れかしこむべきもの。「天地(あめつち)の━━を祈(こ)ひつつ吾(あれ)待たむ」〈万・15・3682〉
③人間を超えたある強大な力をもつ存在。「ただのねずみに非(あら)ず。獣と言へどこれ━━なり」〈今昔・5・17〉
天皇の尊称。「皇神祖(すめろき)の━━の大御代に」〈万・18・4111〉
⑤死後に神社に祭られた霊。
⑥雷。いかずち。「鬼ある所とも知らで、━━さへいといみじう鳴り」〈伊勢・6〉
⑦〘遊里語〙大尽(=上客)の取り巻きのこと。大尽を大神にかけていう。「幇間(おたいこ)だの、━━だのといふ者が、しみじみ憎いよ」〈浮世風呂

古語辞典比較〜神(かみ kamï )①古語辞典(大型)

各古語辞典・国語辞典の「神(かみ kamï )の語釈を比較してみる。派生語関連は除く。



❂時代別国語大辞典上代編(上代語辞典編修委員会編〈代表:沢瀉久孝〉、1967年12月、三省堂

かみ〈乙〉[神・雷](名)
❶神。複合語を作る場合、交替形カムとなることもあるが、カミ・カム両形をもつものもあり、どちらかを決定する基準がない。ここでは不明の場合は原則としてカムの形であげた。神の在る場所はカムナビ・ミモロ・モリなどと呼ばれた。「みもろに築くや玉垣つき余し誰(タ)にかも依らむ加微(かみ)の宮人」(記雄略)「太秦(ウツマサ)は柯微(かみ)とも柯微(かみ)と聞こえ来る常世の柯微(かみ)を打ち懲(キタ)ますも」(皇極紀三年)「天地の可未(かみ)を祈(コ)ひつつ我待たむ」(万3682)「高千穂の岳(タケ)に天降(アモ)りしすめろきの可未(かみ)御代より」(万4465)「吾が祭る神(かみ)にはあらずますらをにつきたる神(かみ)ぞよく祀るべし」(万406)「大汝(オホナムチ)少彦名(スクナビコナ)の神(かみ)こそば名づけそめけめ」(万963)「夫筑波岳、高秀于雲、最頂西峯崢嶸、謂之雄神(かみ)、不令登臨」(常陸風土記筑波郡)「於是ニノ神(かみ)誅(ツミナフ)諸不順鬼神(かみ)等(タチ)」(神代紀下)
❷人間に危害を及ぼすもの、特に猛獣など。その威力を畏怖し、幾分尊敬の念をこめて神と呼んだ。「韓(カラ)国の虎(トラ)といふ神(かみ)を生け取りに八つ取り持ち来(キ)」(万3885)「大口の真神(かみ)の原に」(万1636)「山逢二狼相闘汗血……祈請曰、汝是貴神(かみ)、而楽(コノム)麁行」(欽明前紀)「狼 於保加美(オホカミ」(和名抄)
❸雷。ナルカミとも。「道の後古波陀嬢子(シリコハダヲトメ)を迦微(かみ)のごと聞こえしかども相枕まく」(記応神)「伊香保嶺(イカホネ)に可未(かみ)な鳴りそね我が上(へ)には故はなけども子らによりてぞ」(万3421)「天雲をほろに踏みあだし鳴る神(かみ)も今日にまさりてかしこけめやも」(万4235)「神(かみ)のごと聞こゆる滝の白浪の」(万3015)
【考】上代人は、汎神論的な考え方の下にすべての自然物に神秘的な力を認めて畏怖し、信仰の対象とした。「ゆきそふ川之神(カハノカミ)も大御饌に仕へ奉ると上つ瀬に鵜川を立ち下つ瀬に小網(サデ)さし渡す」(万38)などの川の神は川を支配する神で、獲物を与えるとともに洪水などの祟りをおこす神であり、「次ニ生月神(ツキノカミ)」(神代紀上)は、月の、夜を照らし、日月を数えさせる働きを神格化したものである。「時飛廉(カゼノカミ)起風、陽侯(ウミノカミ)挙浪」(神功前紀)では固有の自然神と中国に典拠をもつ文字とを結びつけている。山や森そのものも、時として神とみなされた。神の力に対する恐れと、その好意をのぞむ心持とから数々の禁忌があり、また交通の要所ではそこを支配する神に対して幣帛が捧げられた。神の意を損ずると、人間に対して災いをなす。これが、荒ブル神・チハヤブル神である。自然神に対しては、国土経営の実をあげた大汝(オホナムチ)少彦名(スクナビコナノ)神のような人間神がある。これら国ツ神に対して、さらに優位にある天ツ神の観念があり、国家態勢が確立してゆくとともに皇祖神の観念と結びつき、天皇を神とみる思想を生み出したといわれる。これらの神々は宮に祀られ、公に祭祀の対象となり、朝廷の儀礼と密接に結びついていた。神社の領地として定められた地がカムトコロであり、そこに属する人民がカムべである。これとともにそれぞれの氏族においても「右依可私氏神泰、暇所請如件」(古文書六、宝亀三年)のような氏神の観念があり、祖先に当たる神を祭った。偶像崇拝の風も「又在石神、高二丈、周四丈」(出雲風土記飯石郡)「此嶋西辺在石神、形似仏像……此神顔有五色之玉、又胸有流涙是亦五色」(播磨風土記揖保郡)などに見えるし、大和飛鳥寺周辺に残る神像などにその実態を見ることができる。なお、カミのミは乙類で、上(カミ)の場合と異なるが、「上岡(カミヲカ)里……出雲国阿菩大神聞大倭国畝火・香山・耳梨三山相闘、此欲諌止上来之時、到於此処、乃聞闘止、覆其所乗船而坐之、故号神阜(カミヲカ)」(播磨風土記揖保郡)によれば「上」と「神」とを相通させているから、両者を語源的に結ぶ意識もあったようだ。



❂角川古語大辞典/第一巻(中村幸彦・岡見正雄・阪倉篤義編、1982年6月、角川書店

かみ【神】名
「ミ」の上代特殊仮名遣いは乙類で、甲類の「ミ」を用いる上(かみ)と異なるが、『播磨風土記』に「上岡」と「神阜」を相通させて地名伝説としているから、両者を語源的に結ぶ意識は早くから生じていたと見られる。複合語を作る場合、交替形「かむ」となることが多い。
❶人間を超越した能力を持つ絶対者。宗教的信仰の対象。古代の日本人にとって、八百万神(やほよろづのかみ)の語が示すように、神はきわめて多数であったと考えられ、汎神論的な考え方のもとに、すべての自然物に神秘的な力を認めて畏怖し、信仰の対象としたが、「もの」が、精霊を意味し、随所に活発な活動をするのに対して、神は本来、公的な威厳を持った性格を帯びていたものと考えられ、それぞれの神の属性は、それをいただいている集団の性格や能力を反映していた。『古事記』や『日本書紀』の神話に語られているように、天照大神(あまてらすおほみかみ)を祭る祭祀圏の拡大は、大和朝廷の進展と密接な関係を持ち、服従させられた集団の神は、しばしば悪神の性格を付せられ、また、国神(くにつかみ)に対する天神(あまつかみ)の優位の観念が生じた。国家体制が確立してゆくとともに、「神」の文字から、儒教における祖先崇拝に基づく皇祖神の観念と結びつき、天皇を神と見る思想を生み出した。それぞれの氏族も、氏神(うぢかみ)を祭った。一方、集団内部の者から畏敬の念をもって見られていた神が一般化し、「もの」と呼ばれていた雑神・小神の類も神と呼ばれるようになった。神は、高い山の峰に降って来ると考えられたり、海のかなたから訪れて来ると考えられたりした。神の在る所は、「かむなび」「もり」などと呼ばれ、降臨のための「みもろ」を築くほか、もとは殿舎を造ることがなかったが、やがて神社(じんじや)が造られるようになった。律令神祇官(じんぎくわん)が置かれて、神社制度が整えられ、『延喜式神名帳』には全国の三千百三十二座が登録せられ、平安中期には二十二社の制度がとられた。神社の祭神に位階を授けることも奈良時代に始り、特に平安時代には祈願の報賽(ホウサイ)などのため、しばしば神位が贈られた。民間では御霊(ごりやう)の神の信仰が盛んになり、室町時代には特に福神(ふくのかみ)が喜ばれ、貧乏神(びんばふがみ)が嫌われた。また、それぞれの神々の祭祀団体が思い思いに活動し、仏教との習合が見られ、本地垂跡(ほんぢすいじやく)の思想が生じ、中世以降
神道(しんたう)が形成せられた。偶像崇拝の風も石神(いしがみ)などに早く見られるが、神仏混淆に伴って多くの神像が作られている。神意を慰め、神に奉納する芸能が早くから発達し、能楽では、五番立(ゴバンダテ)の第一に、神をシテとする脇能(わきのう)がある。神の詠んだ和歌、神の納受(なふじゆ)した歌の説話も多く語られ、勅撰集には神祇(じんぎ)の部立(ぶたて)が置かれる。連歌では一座三句物、名神(なのかみ)と名所(めいしよのかみ)に分ける。中世末期、キリスト教が伝来し、その「でうす」をも神と呼んだ。
㋑天地自然の万物を領有し、支配する存在。また、その霊。「天地の可未(かみ)を祈(こ)ひつつあれ待たむはや来ませ君待たば苦しも」〔万葉・3682〕
神武天皇より前に存在した人間神。「天地初めて発けし時、高天の原に成れる神の名は、天之御中主神」〔記・上〕
天皇の尊称。現人神(あらひとがみ)とも。「あぐらゐの加微(かみ)の御手もち弾く琴に舞するをみな常世にもがも」〔記歌謡・96〕
㋥神社の祭神。「君も御馬よりおり給ひて、御社のかたををがみ給ふとて、神にまかり申しし給ふ」〔源氏・須磨〕
㋭恐るべき存在。その威力を畏怖し、いくぶん尊敬の念を込めていう。「韓国の虎といふ神を」〔万葉・3885〕「獣と云へども此れ神也」〔今昔・5・17〕
㋬雷(かみなり)。「なるかみ」とも。「道の後古波陀少女を迦微(かみ)の如聞えしかども相枕まく」〔記歌謡・45〕「神鳴るさわぎにえ聞かざりけり」〔伊勢・6〕
❷江戸神(えどがみ)の略。「わる井志庵・北里喜之介なぞかみにつれ、一ぱいにしやれる」〔江戸生艶気樺焼〕「アノもう幇間(おたいこ)だの神(かみ)だのといふ者がしみ\"/にくいよ」〔浮世風呂2・下〕
❸②より転じて、居候。食客。「それから大うちにうつて、おとゝしのくれから、なには丁のおじのかみだ」〔大通秘密論〕



❂古語大辞典(中田祝夫・和田利政・北原保雄編、1983年12月、小学館

かみ〈乙〉【神】〔名〕
①天地の創造主。自然を生育し支配する、最高で神聖な存在。古代人は自然物に神秘的な力を認めて畏怖(いふ)し、宗教的信仰の対象にした。「天地の━━[神]も助けよ草枕旅ゆく君が家に至るまで」〈万葉・4・549〉。「いとまばゆきまでねび行く人のかたちかな。━━などは目もこそとめ給へ」〈源氏・葵〉。
②神話で、人格化された存在。開闢以来、神武天皇に至るまでの人格神。「天地初めてひらけし時、高天(たかま)の原になれる━━[神]の名は、天之御中主の━━[神]」〈記・上・別天神五柱〉。「ここにいます━━[神]、名は道主日女命(みちぬしひめのみこと)、父なくして児を生みましき」〈播磨風土記・託賀郡〉。
天皇の尊厳を称する語。「あらひとがみ」とも。「呉床居(あぐらゐ)の━━[加微]の御手もち弾く琴に舞(まひ)する女(をみな)常世にもかも」〈記・下・雄略・歌謡96〉「橿原の日知(ひじり)の御代ゆ生(あ)れましし━━[神]のことごと」〈万葉・1・29〉。
④人力を超越した強力を有する存在。恐れかしこむべきもの。霊妙なる存在。「鼠のかたちを見るにただの鼠にあらず。獣といへどもこれ━━なり」〈今昔・5・17〉。「豹 奈賀豆加美」「豺狼 於保加美」〈和名抄〉。
⑤雷。雷鳴。「なるかみ」とも。「道の後(しり)古波陀嬢子(こはだをとめ)を━━[迦微]のごと聞こえしかども相枕まく」〈記・中・応神・歌謡45〉。「かきくらし雨降りて、━━いと恐ろしう鳴りたれば」〈枕草子・99※段数は日本古典文学大系に拠ると思われる〉。
⑥遊里以外の町方(まちかた)に住み、特定の旦那の御機嫌を取って、遊里などへの供をして暮らしている芸人の類。「のだいこ」とも。「わる井志庵、北里喜之介なぞ━━に連れ」〈黄・江戸生艶気樺焼〉。「幇間(おたいこ)だの、━━だのといふ者がしみじみ憎いよ」〈滑・浮世風呂・2下〉

古語辞典比較〜項目の有無〈除名詞・連語〉(5)ききなす【聞き做す】〜ききわく【聞き分く】

〈甲〉・〈乙〉は上代音の甲類・乙類を、〈衣〉〈江〉はア行のエ・ヤ行のエを示す。



76)きき・な・す【聞き做す】他動詞サ四
《岩波古補》《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《旺文学改》《旺高基二》《旺全古三》《角古改B》《角川新版》《角最新補》《角川必携》《角川必訳》《角川全訳》《学研新古》《学研要約》《学研要全》《学研訳用》《学研全訳》《講談社古》《講キャン》《新解古三》《三省例ニ》《三省セレ》《三省詳説》《三省読二》《三基三補》《小古語大》

77)き〈甲〉き〈甲〉・なほ・す【聞き直す】他動詞サ四
《岩波古補》《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《旺高基二》《旺全古三》《角古改B》《角川新版》《角古大ニ》《角川必携》《角川必訳》《角川全訳》《学研新古》《学研要約》《学研全訳》《講談社古》《講キャン》《三省古修》《新解古三》《三省例ニ》《三省詳説》《三省読二》《小古語大》

77- a)ききなほ・る【聞直】動詞ラ四
《角古大ニ》

77-b)ききなや・む【聞き悩む】自動詞マ四
《三省詳説》

78)きき・なら・す【聞き慣らす・聞き馴らす】他動詞サ四
《岩波古補》《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《旺高基二》《旺全古三》《角古改B》《角川新版》《角古大ニ》《角川必携》《角川必訳》《角川全訳》《学研新古》《学研要約》《学研全訳》《講談社古》《三省古修》《新解古三》《三省例ニ》《三省詳説》《三省読二》《小古語大》

79)きき・なら・ふ【聞き習ふ】他動詞ハ四
《岩波古補》《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《旺文学改》《旺高基二》《旺全古三》《角古改B》《角川新版》《角川必携》《角川必訳》《角川全訳》《学研新古》《学研要約》《学研要全》《学研訳用》《学研全訳》《講談社古》《講キャン》《三省古修》《新解古三》《三省例ニ》《三省詳説》《三省読二》《小古語大》

79-a)きき・な・る【聞き慣る・聞き馴る】他動詞ラ下二
《旺文学改》《角古改B》《角川全訳》《講談社古》《三省詳説》《三基三補》

80)きき・にく・し【聞きにくし】形容詞ク活用
《岩波古補》《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《旺文学改》《旺高基二》《旺全古三》《角古改B》《角川新版》《角古大ニ》《角川必携》《角川必訳》《角川全訳》《学研新古》《学研要約》《学研要全》《学研全訳》《講談社古》《講キャン》《三省古修》《新解古三》《三省例ニ》《三省詳説》《三省読二》《三基三補》《小古語大》

80-a)きき・にげ【聞き逃げ】自動詞サ変
《旺古十版》《旺全古三》《角川全訳》《学研新古》《学研全訳》《講談社古》《三省古修》《三省例ニ》《三省詳説》《三省読二》

81)きき・はさ・む【聞き挟む】他動詞マ四・他動詞マ下二
《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《旺全古三》《角古改B》《角川新版》《角古大ニ》《角川全訳》《学研新古》《学研全訳》《講談社古》《三省詳説》《三省読二》《小古語大》

81-a)きき・はじ・む【聞き始む】他動詞マ下二
講談社古》

81-b)きき・は・つ【聞き果つ】他動詞タ下二
《岩波古補》《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《旺文学改》《旺高基二》《旺全古三》《角古改B》《角川新版》《角川必携》《角川必訳》《角川全訳》《学研新古》《学研要全》《学研全訳》《講談社古》《講キャン》《三省詳説》《三基三補》

82)きき・はづ・す【聞き外す】他動詞サ四
《岩波古補》《角古改B》《角古大ニ》《小古語大》

83)きき・はつ・る【聞きはつる】他動詞ラ四
《岩波古補》《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《角古改B》《角川新版》《角古大ニ》《学研新古》《学研要約》《講談社古》《新解古三》《三省詳説》《小古語大》

84)きき・はな・つ【聞き放つ】他動詞タ四
《岩波古補》《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《旺文学改》《旺高基二》《旺全古三》《角古改B》《角川新版》《角古大ニ》《角川全訳》《学研新古》《学研要約》《学研要全》《学研全訳》《講談社古》《新解古三》《三省詳説》《小古語大》

85)きき・はや・す【聞き囃す】他動詞サ四
《岩波古補》《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《旺文学改》《旺高基二》《旺全古三》《角古改B》《角川新版》《角古大ニ》《角川必携》《角川必訳》《角川全訳》《学研要約》《学研全訳》《講談社古》《講キャン》《新解古三》《三省例ニ》《三省詳説》《三省読解》《三省読二》《小古語大》

86)きき・ひら・く【聞き開く】他動詞カ四
《岩波古補》《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《旺高基二》《旺全古三》《角古改B》《角川新版》《角最新補》《角古大ニ》《角川必携》《角川必訳》《角川全訳》《学研新古》《学研全訳》《講キャン》《三省古修》《新解古三》《三省例ニ》《三省詳説》《三省読二》《小古語大》

87)きき・ふけ・る【聞き耽る】他動詞ラ四
《岩波古補》《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《旺高基二》《旺全古三》《角古改B》《角川新版》《角古大ニ》《角川必携》《角川必訳》《角川全訳》《学研新古》《学研要約》《学研全訳》《講談社古》《講キャン》《三省古修》《新解古三》《三省例ニ》《三省詳説》《三省読二》《小古語大》

87-a)きき・ふ・す【聞き伏す・聞き臥す】自動詞サ四
《角古改B》《角川新版》《角川全訳》《講談社古》《三省詳説》

87-b)ききふ・る【聞触】動詞ラ下二
《岩波古補》《角古大ニ》

88)きき・ふ・る【聞き旧る】自動詞ラ上二
《旺古中新》《角古改B》《角川新版》《小古語大》

89)きき・ふる・す【聞き旧るす】他動詞サ四
《岩波古補》《旺古新版》《旺古十版》《角古改B》《角川新版》《角古大ニ》《角川必携》《角川必訳》《角川全訳》《学研新古》《学研要約》《学研全訳》《講談社古》《講キャン》《三省古修》《新解古三》《三省例ニ》《三省詳説》《小古語大》

89-a)ききほ・す【聞干】動詞サ四
《角古大ニ》

90)きき・まがは・す【聞き紛はす】他動詞サ四
《岩波古補》《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《旺全古三》《角古改B》《角川新版》《角古大ニ》《角川全訳》《学研新古》《学研要約》《学研要全》《学研全訳》《新解古三》《三省詳説》《三省読二》《小古語大》

91)きき・まが・ふ【聞き紛ふ】他動詞ハ四
《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《角古改B》《角川新版》《学研新古》《新解古三》《三省詳説》《小古語大》

91-a)きき・まど・ふ【聞き惑ふ】他動詞ハ四
《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《角古改B》《角川新版》《角川全訳》《新解古三》《三省詳説》

91-b)ききみ・な・る【聞き見慣る・聞き見馴る】他動詞ラ下二
《旺文学改》《角川全訳》《講談社古》

91-c)ききみみつぶす【聞耳潰す】
《旺古中新》《角古大ニ》《学研新古》《講談社古》

92)ききみみ・どほ・し【聞き耳遠し】形容詞ク活用
《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《角古改B》《角川新版》《角古大ニ》《学研新古》《学研要約》《講談社古》《新解古三》《三省詳説》《小古語大》

92-a)きき・みる【聞き見る】他動詞マ上一
《旺文学改》《角川全訳》《講談社古》

93)ぎぎ・め・く 自動詞カ四
《岩波古補》《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《角古改B》《角川新版》《角古大ニ》《学研新古》《三省詳説》《小古語大》

93-a)きき・め・づ【聞き愛づ】他動詞ダ下二
《旺高基二》《旺全古三》《角川必訳》《角川全訳》《学研全訳》《講談社古》《三省古修》《三省例ニ》《三省詳説》《三省読二》

94)きき・もた・り【聞き持たり】他動詞ラ変
《岩波古補》《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《旺全古三》《角古改B》《角川新版》《学研新古》《学研要約》《学研全訳》《講談社古》《新解古三》《三省詳説》《小古語大》

95)きき・もら・す【聞き洩らす・聞き漏らす】他動詞サ四
《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《旺文学改》《旺高基二》《旺全古三》《角古改B》《角川新版》《角川必携》《角川必訳》《角川全訳》《学研新古》《学研要約》《学研要全》《学研訳用》《学研全訳》《講談社古》《講キャン》《新解古三》《三省例ニ》《三省詳説》《三省読二》《小古語大》

96)き・きゃう【帰敬】自動詞サ変
《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《角古大ニ》《角川全訳》《学研新古》《新解古三》《三省詳説》《小古語大》

96-a)ぎ・ぎゃう【儀刑・儀型】形容動詞タリ活用
《新解古三》

96-b)ぎ・ぎゃう【儀刑・儀型】自動詞サ変
《新解古三》

96-c)きき・や・る【聞きやる】他動詞ラ四
《角古改B》

96-d)ききゃる【聞きゃる】他動詞ラ四
《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《角川新版》《三省詳説》

97)き〈甲〉き〈甲〉・よ〈乙〉・し【聞きよし】形容詞ク活用
《岩波古補》《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《旺文学改》《旺高基二》《旺全古三》《角古改B》《角川必携》《角川必訳》《角川全訳》《学研新古》《学研要約》《学研全訳》《講キャン》《時代上代》《三省古修》《新解古三》《三省例ニ》《三省詳説》《三省読二》《小古語大》

98)きき・よ・す【聞き寄す】他動詞サ下二
《岩波古補》《角古改B》《角川新版》《角古大ニ》《小古語大》

98-a)きき・よろこ・ぶ【聞き喜ぶ・聞き悦ぶ】自動詞バ四
講談社古》

98-b)ききらきん 形容動詞
《角古大ニ》

99)き・き・る【着切る】他動詞ラ四
《旺古新版》《旺古十版》《角古改B》《角川新版》《新解古三》《小古語大》

100)きき・わ・く【聞き分く】他動詞カ四・他動詞カ下二
《岩波古補》《旺古中新》《旺古新版》《旺古十版》《旺文学改》《旺高基二》《旺全古三》《角古改B》《角川新版》《角最新補》《角古大ニ》《角川必携》《角川必訳》《角川全訳》《学研新古》《学研要約》《学研要全》《学研訳用》《学研全訳》《講談社古》《講キャン》《三省古修》《新解古三》《三省例ニ》《三省詳説》《三省読二》《三基三補》《小古語大》




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