つらつら思うこと

特にテーマは決めずに書きます

三省堂例解古語辞典①

三省堂例解古語辞典」は現在絶版になっている模様だが、非常に優れた古語辞典だと思う。

そこでこの辞書についてのデータを出してみたい。

❂収録語彙〈通常は凡例や外箱などに大まかな収録語彙数の表示があるが、この辞書には表示が無いので数えてみた〉

三省堂例解古語辞典/初版(佐伯梅友・森野宗明・小松英雄編著、1980年1月初版1980年10月6刷、三省堂、B6判、本文856頁)】

16,090 語
名詞  8,414
代名詞  117
動詞  3,049
形容詞  565
形容動詞 367
副詞 495
連体詞 31
接続詞 37
感動詞 61
助動詞 97
格助詞 17
接続助詞 27
係助詞 10
副助詞 16
終助詞 49
間投助詞 14
準体助詞 2
並立助詞 2
連語 1,748
句 640
枕詞 179
接頭語 62
接尾語 90
擬声語 1

※一つの見出し項目のもとに複数の品詞がまとめられているものは最初に表示されている品詞でカウントした。

私が所持する国語辞典

2019年4月13日現在、私が所持する国語辞典。


ちくま学芸文庫言海大槻文彦著、1889年5月初版2004年4月復刻版1刷2004年6月3刷、筑摩書房、文庫判、本文1,110頁、付録129頁、解説80頁、巻頭口絵ナシ、挿絵ナシ単色刷、収録語数39,103)
【付録】語法指南(日本文典摘録)、言海採収語類別表、ことばのうみのおくがき
【和歌・俳句】項目ナシ
【人名・地名・書名】項目ナシ


広辞苑/初版(新村出編、1955年5月初版1刷1964年1月12刷、岩波書店、A5判、本文2,298頁、付録56頁、巻頭口絵ナシ、挿絵入単色刷、収語語数200,000余)
【付録】国文法概要、動詞・助動詞・形容詞活用表、現代かなづかいの要領、当用漢字音訓表、人名用漢字表、字音かなづかい表、ローマ字のつづり方、難音難訓漢字索引
【和歌・俳句】項目ナシ
【人名・地名・書名】本文中に項目を立てる


★逆引き広辞苑岩波書店辞典編集部編、1992年11月初版1刷、岩波書店、A5判、本文1,149頁、付録ナシ、巻頭口絵ナシ、挿絵ナシ単色刷、収録語数210,000)※ベースは広辞苑第四版


広辞苑/第五版(新村出・山口明穂他編、1998年11月第五版1刷、岩波書店、A5判、本文2,886頁、付録97頁、巻頭口絵ナシ、挿絵入単色刷、収語語数230,000)
【付録】日本文法概説、活用表(動詞・助動詞・形容詞)、仮名遣いについて、漢字・難読語一覧、人名用漢字一覧、外来語の表記、ローマ字のつづり方、アルファベット略語、西暦・和暦対照表
【和歌・俳句】項目ナシ
【人名・地名・書名】本文中に項目を立てる


★国語大辞典(尚学図書編、1981年12月初版1刷1982年2月7刷、小学館、B5判、本文2,528頁、付録94頁、巻頭口絵ナシ、挿絵入単色刷、収録語数245,800余)
【付録】漢字表 付・難読語一覧(部首索引、総画索引、本表)中国簡体字表、戦後国語施策資料集、学年別漢字配当表、手紙に用いる語、かな字体表(ひらがな、かたかな)時刻・方位・方角・十干十二支、万葉がな一覧、活用表(動詞・形容詞・形容動詞・助動詞)・助詞一覧、西暦・和暦対照表、私年号表、年号索引
【和歌・俳句】項目ナシ
【人名・地名・書名】本文中に項目を立てる


三省堂国語辞典/第三版特装版(見坊豪紀金田一京助金田一春彦柴田武編、1960年12月初版1985年8月第三版特装版1刷1993年21刷、三省堂、B6版、本文1,253頁、付録27頁、巻頭口絵ナシ、挿絵入単色刷、収録語数62,000)
【付録】動詞活用表、形容詞・形容動詞活用表、助動詞活用表、常用漢字表
【和歌・俳句】項目ナシ
【人名・地名・書名】項目ナシ


★岩波国語辞典/第四版(西尾実岩淵悦太郎水谷静夫編、1963年4月初版1986年10月第四版1刷1990年11月6刷、B6判、本文1,212頁、付録64頁、巻頭口絵ナシ、挿絵ナシ単色刷、収語語数60,000)
【付録】陰暦月異名一覧、語構成概説、品詞概説、活用表、現代仮名遣いと歴史的仮名遣いの対照表、人名用漢字一覧、漢字の読み方の手引
【見返し】旧国名地図、方位・時刻表
【和歌・俳句】項目ナシ
【人名・地名・書名】項目ナシ


講談社カラー版日本語大辞典(梅棹忠夫金田一春彦阪倉篤義日野原重明監修、林大他編、1989年11月初版1刷、講談社、B5判、本文2,147頁、付録214頁、巻頭口絵ナシ、カラー挿絵入単色刷、収録語数175,000余)
【付録】漢字音訓一覧、言葉のきまり(現代仮名遣い、歴史的仮名遣い、送り仮名の付け方、ローマ字のつづり方、品詞分類表、活用表)言葉の使い方(手紙の書き方、はがきの書き方、実用文書の書き方、原稿の書き方、敬語の使い方、結婚披露宴のスピーチ、葬式のあいさつ、包みの表書き、電話・電報、中国の故事名言)言葉の資料便覧(干支・二十四節気、数え方と助数詞、旧国名地図と近世交通路、日本文学史年表、百人一首、季語一覧、天気と言葉、星座、月の満ち欠け・時刻・方位、単位、国旗、道路標識、地図記号点字の基礎知識、手話の基礎知識、日本の伝統文様、色名辞典)略語表(アルファベット略語集)
【和歌・俳句】項目ナシ
【人名・地名・書名】本文中に項目を立てる


新明解国語辞典/第四版特装愛蔵版(金田一京助柴田武・山田明雄・山田忠雄編、1972年1月初版1990年1月第四版特装愛蔵版1刷1996年14刷、三省堂、A5判、本文1,405頁、付録52頁、巻頭口絵ナシ、挿絵ナシ単色刷、収録語数70,000)
【付録】漢字索引、外国地名一覧、口語動詞活用表、口語形容詞・形容動詞活用表、口語助動詞活用表、アクセント表示について
【見返し】アクセントの型一覧
【和歌・俳句】項目ナシ
【人名・地名・書名】項目ナシ


★新世紀ビジュアル大辞典(金田一春彦石毛直道村井純監修、北宗平編、1998年11月初版1刷、学習研究社、A5判、本文2,886頁、付録201頁、巻頭口絵ナシ、カラー挿絵入単色刷、収録語数表示ナシ)※横組み
【付録】現代仮名遣い、送り仮名の付け方、外来語の表記・ローマ字のつづり方、学年別漢字配当表、漢字音訓一覧、人名用漢字一覧、活用表、原稿用紙の書き方、手紙の書き方、敬語の使い方、人生儀礼、祝日・行事と郷土料理、暦法、季語一覧、名数、数え方と助数詞、単位、世界の主要な言語、世界の風俗・マナー、西暦・和暦対照表、和暦索引、世界史総合年表、アルファベット略語一覧、色名350、最新世界地図、最新日本地図
【和歌・俳句】項目ナシ
【人名・地名・書名】本文中に項目を立てる

古典文法書比較③助動詞「らゆ」について

上代の助動詞「らゆ」についての記述を比較してみる。


❖用例が「寝」に接続する「寝らえ」のみであることを明記しているもの

●「読解をたいせつにする体系古典文法/三訂版~八訂版」(浜本純逸監修、1996年~2013年)

接続:「寝」の未然形にのみ接続する。
活用表:未然形「らえ」のみ記す。
注:「らゆ」は平安時代の「らる」に相当する助動詞である。
用例:ほととぎすいたくな鳴きそ独り居て寝の寝らえぬに聞けば苦しも〈万葉集・1484〉
(P76)

●「完全傍訳やさしく詳しい古典文法」(水野左千夫編、2000年)

接続:「寝」の未然形につく。
活用表:未然形「らえ」のみ記す。
注:「らゆ」は「寝らえぬ」という可能の用例しかない。
(P79)

●シグマベスト/標準新古典文法(山口堯二著、2000年)

接続:四段・ナ変・ラ変以外の動詞の未然形に付く。
活用表:「らえ・らえ・らゆ・らゆる・らゆれ・らえよ」を全て記す。
注:「らゆ」の『万葉集』における実例は、「寝(い)の寝(ね)らえぬに」と使われた未然形しかない。

●「よくわかる新選古典文法/改訂版」(小町谷照彦監修、2001年)

接続:「寝(ぬ)」「寝(い)ぬ」の未然形に接続する。
活用表:未然形「らえ」のみ記す。
注:「らゆ」は「寝」「寝ぬ」の未然形に付き、下に打消の語を伴って不可能の意を表す用例しかみられない。
用例:妹を思ひ眠の寝らえぬに〈万葉集・3665〉
(P70)

●「解釈のための必携古典文法/改訂版」(萩原昌好監修、2005年) 

接続:「寝」(一語のみ)の未然形
活用表:未然形「らえ」のみ記す。
(P68)

●「基礎から学ぶ解析古典文法/改訂新版」(桐原書店編集部編、2006年)

接続:ナ行下二段「寝」の未然形のみ
活用表:未然形「らえ」のみ記す。
注:「ゆ・らゆ」は平安時代の「る・らる」に相当する。
「らゆ」は「寝(い)の寝(ね)らえぬ」の形のみで、可能の意味しかない。
(P91)

●「シグマベスト/読解のための必修古典文法」(宇都宮啓吾他編著、2009年)

接続:下二段動詞「寝」の未然形
活用表:未然形「らえ」のみ記す。
注:活用形の実例は、未然形の「寝の寝らえ」の形でのみ見られる。
用例:妹を思ひ寝の寝らえぬに〈万葉集・3678〉
(P84)

●「基礎から解釈へ新しい古典文法/四訂新版」(岩淵匡他監修、2010年)

接続:下二段動詞「寝」の未然形に。
活用表:未然形「らえ」のみ記す。
注:「らゆ」は、『万葉集』に「寝の寝らえ」の形で見られる。
用例:ほととぎすいたくな鳴きそ独り寝の寝らえぬに聞けば苦しも〈万葉集・1484〉
(P74)

●「古文解釈のための総合力を養う完全マスター古典文法/新版二訂」(金子彰他編、2012年)

接続:「寝」の未然形のみに接続。
活用表:未然形「らえ」のみ記す。
用例:妹を思ひ寝の寝らえぬに暁(あかとき)の朝霧隠り雁がねそ鳴く〈万葉集・3665〉
(P74)


❖四段・ナ変・ラ変以外の動詞に接続するとしているもの


●「古文解釈のための國文法入門」(松尾聰著、1952年)

接続:四段・ナ変・ラ変動詞の未然形。
活用表:未然形に「らえ」、連用形に「(らえ)」、終止形に「(らゆ)」、連体形に「(らゆる)」、已然形に「(らゆれ)」、命令形に「(らえよ)」を記す。
注:「らゆ」の用例は、受身・可能・自発を通じて「ねらえぬ」だけである。
用例:妹を思ひ伊能禰良延奴爾(イノネラエヌニ)秋の野にさを鹿鳴きつ妻おもひかねて〈万葉集・3678〉
(P30〜32)

●「古典文法/新修版」(松村明編著、1976年)

接続:右(四段・ナ変・ラ変)以外の動詞の未然形。
活用表:未然形に「らえ」、連用形に「(らえ)」、終止形に「(らゆ)」、連体形に「(らゆる)」、已然形に「(らゆれ)」、命令形に「(らえよ)」を記す。
注:「らる」に相当するものとして奈良時代に用いられた。
括弧のある活用形の用例は見当たらない。「らえ」は「寝の寝らえぬ」の用例だけ残る。
用例:妹を思ひ寝の寝らえぬに暁(あかとき)の朝霧隠り雁がねぞ鳴く〈万葉集・3665〉
(P60)

●「簡明文語文法/新訂版」(成田杢之助編、1976年)

接続:「らゆ」は「らる」(四段・ラ変・ナ変型以外の活用語の未然形に接続)と同じ。
活用表:未然形に「らえ」、連用形に「(らえ)」、終止形に「(らゆ)」、連体形に「(らゆる)」、已然形に「(らゆれ)」、命令形に「(らえよ)」を記す。
用例:夜を長み寝の寝らえぬにあしひきの山びことよめさを鹿鳴くも〈万葉集・3680〉
(P42)

●「解釈・読解のための新明解古典文法/改訂新版」(江口正広著、1988年)

接続:四段・ナ変・ラ変以外の動詞の未然形につく。
活用表:未然形「らえ」のみ記す。
注:「らゆ」は意味も活用も「ゆ」に準じて考えられるが、確かな用例は「寝らえぬに」とある可能の一例だけである。
(P59)

●「古典にいざなう新古典文法」(北原保雄編、1992年)

接続:四段・ナ変・ラ変以外の動詞の未然形に付く。(捨て・らゆ)
活用表:未然形「らえ」のみ記す。
用例:ほととぎすいたくな鳴きそ独り居て寝の寝らえぬに聞けば苦しも〈万葉集1484〉
(P78〜79)


❖「らゆ」についての記述が無いもの

●「精選古典文法/改訂版」(築島裕他監修、1999年)
●「望月光の超基礎がため古文教室・古典文法編」(望月光著、2007年)
●「新修古典文法/二訂版」(荻野文子編著、2010年)



🔵「古語大辞典」(中田祝夫・和田利政・北原保雄編、1983年、小学館)によれば、平安初期の訓点資料には「らゆ」の連用形・連体形も確認されているそうだが、そこまで触れている書が無いのは致し方無いか。
万葉集には「寝の寝らえぬ」という用例が五例ある〈品詞別日本文法講座・吉田金彦〉そうだが、ここに出ている三例以外は未確認。

実際には「寝」に接続する例しか無いのに《四段・ナ変・ラ変以外の動詞に接続する》としている
●「古文解釈のための國文法入門」(松尾聰著、1952年)
●「古典文法/新修版」(松村明編著、1976年)
●「簡明文語文法/新訂版」(成田杢之助編、1976年)
●「解釈・読解のための新明解古典文法/改訂新版」(江口正広著、1988年)
●「古典にいざなう新古典文法」(北原保雄編、1992年)
助動詞「らゆ」に全く触れていない
●「精選古典文法/改訂版」(築島裕他監修、1999年)
●シグマベスト/標準新古典文法(山口堯二著、2000年)
●「望月光の超基礎がため古文教室・古典文法編」(望月光著、2007年)
●「新修古典文法/二訂版」(荻野文子編著、2010年)
及び実際には用例の無い「寝ぬ」に接続する用例があるかのように書いている
●「よくわかる新選古典文法/改訂版」(小町谷照彦監修、2001年)
は評価を下げざるを得ない。

という事で、助動詞「らゆ」に関する記述では
●「読解をたいせつにする体系古典文法/三訂版~八訂版」(浜本純逸監修、1996年~2013年)
●「完全傍訳やさしく詳しい古典文法」(水野左千夫編、2000年)
●「解釈のための必携古典文法/改訂版」(萩原昌好監修、2005年)
●「基礎から学ぶ解析古典文法/改訂新版」(桐原書店編集部編、2006年)
●「シグマベスト/読解のための必修古典文法」(宇都宮啓吾他編著、2009年)
●「基礎から解釈へ新しい古典文法/四訂新版」(岩淵匡他監修、2010年)
●「古文解釈のための総合力を養う完全マスター古典文法/新版二訂」(金子彰他編、2012年)
を評価したい。

アイヌと農耕

以前に書いたココログの記事のコピーです。





はてなダイアリーのMukkeさんのブログにアイヌ問題を取り上げたエントリーがあり、そこにコメントしたりした機会にアイヌ問題についての私の考えをまとめて書いておこうと思う。


まずはアイヌと農耕について。


近代アイヌ研究史においてアイヌは狩猟採集民族であるとされてきた。その事を前提とした上で、アイヌ文化を持ち上げたり貶めたりされて来た。


しかし私はアイヌが本当に昔からずっと狩猟採集生活をしていたのかどうか疑問を抱いてきた。
アイヌの家の造りは定住型であり、常に移動しながら生活する狩猟採集民のものとは思われない。
知里幸恵の『アイヌ神謡集』の冒頭に出て来るカムイユカル「梟の神が自らうたった謡」はこんな内容だ。《梟の神が空から地上を眺めていると、昔は豊かだったけど今は落ちぶれた家もあれば、昔は貧しかったけれど今は栄えている家もある。そんな中で、貧しいけれど心の清らかな一家を見つけた梟の神は、深夜皆が寝静まっている間に一家の家に入って♪金の滴降れ降れ周りに銀の滴降れ降れ周りに♪と謡った。家の中には金の滴銀の滴が降り注ぎ、一家は一夜にして長者になった》
このカムイユカルの内容から、この神謠が成立した当時のアイヌ社会には既に貧富の差があった事が判る。貧富の差があったという事は農耕が行われていたという事だ。
アイヌの人口については、和人との混血があるので何処までがアイヌなのかという問題もあって正確に知るのは難しいのだが、いずれの調査でも数万人程度は居るようだ。これは民族の総数が数十人とか数百人という民族が少くない北方少数民族の中では際立って多い数だと言って良い。普通狩猟採集民は数十人単位で生活しているので、アイヌのこの数は農耕を想定しなければ説明困難だろう。


つまりアイヌは昔から狩猟採集生活をしていたのではなく、一旦農耕生活に入った後で、和人の圧力によって狩猟採集生活へと後退させられたのだと私は考える。


そして近年になって私の考えを裏付けるように、17世紀のアイヌの農耕遺跡が発見されたと報じられている。



2009年6月25日

流浪の旅

以前にココログに書いた記事のコピー。
auスマホを使っていた頃に書いたものなのでY!mobileに変えた今は閲覧しかできない。そこで忘れないようにここにコピーしておく)


大正10年(1921年)に作られ、当時の艶歌師たちによって歌われた『流浪の旅』という歌がある。


 ☆流浪の旅
   作詞作曲
    宮島郁芳
    後藤紫雲


流れ流れて落ち行く先は
北はシベリア南はジャバよ
いずこの土地を墓所と定め
いずこの土地の土と終わらん


きのうは東今日は西と
流浪の旅はいつまで続く
果てなき海の沖の中なる
島にても良し永住の地欲し


思えば哀れ二八の春に
親のみ胸を離れ来てより
過ぎ来し方を思いて我は
遠き故郷のみ空ぞ恋し


(一部の歌詞が違う別ヴァージョンもある)


鶴田浩二が歌ったこの歌がYouTubeにアップされているせいか、この歌をアジアを股に掛けて放浪する気宇壮大な国士の歌であるなどというトンデモない解釈をしているネトウヨ君が居たのには呆れてしまった。


この歌は松永伍一の『日本の子守唄』に収められていて、からゆきさんを歌った歌であると明記されている。


三番の歌詞の「二八」とは二+八で数え十歳のこと。
「お月さんいくつ十三七つ」と同類の表現だ。
つまりこの歌の主人公は僅か数え十歳、小学校三、四年生相当の幼さで海外の売春宿に売られたと告白している。
もちろん数え十歳で売春が出来る訳は無く、初めは小間使いとして使われたのだろう。


貧しい家の娘が幼い身で親の家計を助けるために身売りされて行く…そんな悲惨な現実を歌ったこの歌が国士の歌と解釈されていようとは作者もあの世で苦笑しているだろう。


2011年8月6日