つらつら思うこと

特にテーマは決めずに書きます

古語辞典比較〜項目の有無

各古語辞典の項目の有無を『な』から100項目程度で比較してみたい。対象とする古語辞典は以下の通リ。【岩波書店】 ❂岩波古語辞典/初版(大野晋・佐竹昭広・前田金五郎編、1974年12月初版1刷)⇒《岩波古初》と略す ❂岩波古語辞典/補訂版(大野晋・佐竹昭広…

知恵袋の回答

知恵袋の質問への回答の一部です。 伊勢物語23段(現存する伊勢物語写本中最古の写本の一つと考えられる国立歴史民俗博物館蔵伝二条為氏筆本〈通称「大島本」〉による) むかしゐ中わたらひしける人の ことも井のもとにいてゝあそひ けるをおとなになりにけ…

古語辞典比較〜前書・後書(4)基本古語辞典/改訂版〜最新詳解古語辞典

❄基本古語辞典/改訂版(小西甚一著、1966年3月初版1969年11月改訂初版1973年3月改訂4版、大修館書店)【はじめに】 古文の勉強にほんとうの意味で役だつ辞書がほしい━━ということを、高校の先生がたから、ずいぶん承った。古語辞典としていくつも刊行されて…

古語辞典比較〜ならなくに

なるべくどの辞書にも載っていて、解釈が分かれる語を比較するのが面白かろうと思い、『ならなくに』を比較してみる。 ❄參考古語辭典學生版(江波煕編著、1940年2月、中文舘書店)★ならなくに 「でないのに」 [例]絲によるものならなくに別れ路の心細くも…

古語辞典比較~前書・後書(3)旺文社古語辞典/中型新版~旺文社全訳古語辞典/第三版

❄旺文社古語辞典/中型新版(守随憲治・今泉忠義監修、鳥居正博編集責任、1965年2月初版1965年3月重版、旺文社)【監修者のことば】 古典を原文で読むことはもちろん容易でない。しかし、困難な古語を克服して読む古典は時代を越えてわれわれの共感を呼ぶ。…

古語辞典比較~前書・後書(2)角川古語辞典/改訂版~角川全訳古語辞典

❄角川古語辞典/改訂版(編集:武田祐吉・久松潜一・佐藤謙三・三木孝・橋本研一、1958年3月初版1963年1月改訂初版、角川書店)【改訂にあたって】 古典は日本人の心のふるさとであり、古語はそのふるさとをたずねる道しるべである。敗戦後、その衝撃による…

古語辞典比較~前書・後書(1)參考古語辭典/學生版・明解古語辞典/初版~新明解古語辞典/第三版

私が所持する各古語辞典の前書・後書等を比較してみる。 ❄參考古語辭典/學生版(松下大三郎監修、江波熈編著、1940年2月、中文舘書店)【緖言】 現今、中等學校上級に於て、教授者の立場から、適當なものとして薦め得る國語辭典があらうか。國語教科書に載…

お薦めの古語辞典

古語辞典もだいぶ揃って来たので(http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/07/11/175823)この中から私がお薦めしたいと思う古語辞典をいくつか挙げてみたいと思う。ネットには既に「お薦めの古語辞典」を挙げているサイトもあるけど、そこでは高…

『あた』か『あだ』か④

『あた』か『あだ』か③ http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/07/21/152040⇒ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−❂三省堂詳説古語辞典(秋山虔・渡辺実編、2001年1月初版、三省堂)あた【仇・敵・賊・寇】[名](「あだ」とも) ❶敵。自…

『あた』か『あだ』か③

『あた』か『あだ』か② http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/07/21/135809⇒ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−❂新訂/詳解古語辞典(佐藤定義編、1972年11月初版1982年10月新訂版、明治書院)あた【仇】(名) ①自分に害をする者。ま…

『あた』か『あだ』か②

『あた』か『あだ』か① http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/07/15/140100⇒ さて、『あた』と『あだ』の違いを古語辞典はどう記述しているだろうか。−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−❂参考古語辞典(松下大三郎監修、江波煕編著、194…

参考古語辞典

ヤフオクで落札した「参考古語辞典」が今日届いた。刊行が昭和15年(1940年)2月だから「古語辞典」という名で刊行された最古の辞典ではないかと思う。「参考」とあるのは参考書的な性格も持つという意味らしい。当時の旧制中学校の生徒の旧制高校受験用に作…

知恵袋の枕詞の質問への回答

知恵袋の枕詞についての質問に回答を書いたら字数オーバーで送れなかったので、こちらに載せます。 ★あかねさす日に向かひても思ひ出でよ都は晴れぬながめすらむと【中宮定子・枕草子・御乳母の大輔の命婦】★あしひきの山のまにまに隠れなむ憂き世の中はある…

『あた』か『あだ』か①

『~くば』か『~くは』かを調べているうちに、119段の「かたみとて今はあたなれこれなくはわするゝ時もあらましものを」の『あた』をそのまま『あた』と読んでいる本と『あだ』と読んでいる本とがあることに気づいた。そこでまた調べてみた。(全段を収めて…

私が所持する古語辞典

2018年9月20日現在、私が所持する古語辞典。 現在43種44冊。収録語数は飽くまで公称。 ❂參考古語辭典(松下大三郎監修、江波煕編著、1940年2月発行、中文舘書店、小B6判本文二段組416頁付録ナシ巻頭口絵ナシ、収録語数4,286)※「古語辞典」と銘打って刊行さ…

佐藤定義編「詳解古語辞典」について

少し前にヤフオクで佐藤定義編「新訂詳解古語辞典」(1972年11月初版1982年10月新訂版、明治書院)を購入した。率直に言って、こういう古語辞典があること自体最近まで知らなかった。編纂者の佐藤定義という人についてもWikipedia・コトバンク・はてなキーワ…

『~くば』か『~くは』か

形容詞の未然形に『く』を認めるか否かに関しての質問が知恵袋にあったので(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12192383582)、伊勢物語における二箇所の「~くば」or「~くは」がどう表記されているかを調べてみた。 ①〈82段〉山…

古語辞典比較〜「涅」と「黒し」

岩波古語辞典(大野晋・佐竹昭広・前田金五郎編、岩波書店)の初版(1974年12月)と補訂版(1990年2月)とで記述に違いがあるのに気づいたのは、『涅』と『黒し』の項目だった。 ❂初版くり【涅】《クロ(黒)と同根》 水中の黒い土。染料とする。「金の━━に…

『ならなくに』の品詞分解

伊勢物語初段に出てくる源融の歌「みちのくの忍もぢずりたれゆへにみだれそめにし我ならなくに」の第五句「我ならなくに」の『ならなくに』の部分の品詞分解について考えてみたい。まずは参考書を見てみる。★橘誠著「伊勢物語の文法と解釈」(1957年11月初版…

古語辞典比較~にしきぎ(錦木)の記述

「明解古語辞典」で一つだけ金田一京助氏が書いた項目があって、それが『にしきぎ(錦木)』なのだと言う。春彦氏は京助氏が書くと随筆になってしまうので辞書の編纂は京助氏には向かないと述べていたそうだが、さて春彦氏の指摘は的中しているかどうか。 ★…

助動詞『り』について⑦まとめ

助動詞『り』について⑥ http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/06/19/165844⇒ 以上見てきた各古語辞典の記述をまとめると、こんな感じになる。【四段動詞の場合】 ★命令形接続とする辞典 ・「基本古語辞典/改訂版」 (小西甚一編、1966年3月初版…

助動詞『り』について⑥

助動詞『り』について⑤ http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/06/16/094713⇒ ❂新明解古語辞典第二版(金田一京助監修、金田一春彦編者代表、1972年12月初版、1977年12月2版、三省堂) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 重要助動詞活用…

助動詞『り』について⑤

助動詞『り』について④ http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/06/10/090107⇒ ❂全訳用例古語辞典ビジュアル版第2版(金田一春彦監修、菅野雅雄・中村幸弘編、1996年12月初版2002年12月第2版、学習研究社) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−…

助動詞『り』について④

助動詞『り』について③ http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/06/07/093024⇒ ❂明解古語辞典改訂版(金田一京助監修、金田一春彦編修主任、1953年4月初版1958年3月改訂版、三省堂) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【重要助動詞活用…

助動詞『り』について③

助動詞『り』について② http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/06/02/005932⇒ ❂例解古語辞典 第二版(佐伯梅友・森野宗明・小松英雄編著、1980年1月初版1985年1月2版、三省堂)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 助動詞活用表〜ラ変型活…

助動詞『り』について②

助動詞『り』について① http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/05/30/151942⇒ 次に辞書の記述をみてみる。 ❂時代別国語大辞典上代編(上代語辞典編修委員会編、代表:澤瀉久孝、1967年12月、三省堂)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− …

助動詞『り』について①

小松英雄氏の「日本語はなぜ変化するか〜母語としての日本語の歴史」(1999年1月初版、笠間書院)のP259~260にこんな記述がある。 四段活用動詞連用形サキ〈咲キ〉にラ変動詞アリが後接した sakiari には母音連続 ia が含まれるために、二つの母音が融合し…

辞書における『ねこ』

手許にある辞書で『ねこ』を引いてみる。 ★時代別国語大辞典上代編 _ ねこ[猫](名)ねこ。食肉目ねこ科の家禽。「我正月一日、成レ狸〈禰古〉入=於汝時_之時、飽=供養宍種物_ 」(霊異記上三〇話)「猫狸 猫レ捕レ鼠也、貍狸也、又云野貍、倭音上尼古、下多…

伊勢物語初段の『をいつきて』について

伊勢物語初段の かすかのゝわかむらさきのすり衣 しのふのみたれかきりしられす となむをいつきていひやりける (学習院大学蔵伝定家筆本)の『をいつきて』をどう解釈するかは注釈書・参考書・訳書でもほぼ二つに分かれている。〈以下は《》の部分が本文。…

これは無いだろ(´ω`)

知恵袋というサイトは質問者がベストアンサーを決めるシステムで、別に専門家が判定するわけでは無いから、エッ??と思うような回答がベストアンサーに選ばれているのを見るのは珍しいことでは無いけれど、それにしてもこれがベストアンサーに選ばれていると…