つらつら思うこと

特にテーマは決めずに書きます

私が所持する古語辞典

2018年7月17日現在、私が所持する古語辞典。 現在23種27冊。 ❂明解古語辞典/改訂版(金田一京助監修、金田一春彦編修主任、1953年4月初版1958年3月改訂版1958年12月改訂2版、三省堂、A6判本文1,043頁付録111頁巻頭口絵ナシ)❂角川古語辞典/改訂版(武田祐…

佐藤定義編「詳解古語辞典」について

少し前にヤフオクで佐藤定義編「新訂詳解古語辞典」(1972年11月初版1982年10月新訂版、明治書院)を購入した。率直に言って、こういう古語辞典があること自体最近まで知らなかった。編纂者の佐藤定義という人についてもWikipedia・コトバンク・はてなキーワ…

『~くば』か『~くは』か

形容詞の未然形に『く』を認めるか否かに関しての質問が知恵袋にあったので(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12192383582)、伊勢物語における二箇所の「~くば」or「~くは」がどう表記されているかを調べてみた。 ①〈82段〉山…

古語辞典比較〜「涅」と「黒し」

岩波古語辞典(大野晋・佐竹昭広・前田金五郎編、岩波書店)の初版(1974年12月)と補訂版(1990年2月)とで記述に違いがあるのに気づいたのは、『涅』と『黒し』の項目だった。 ❂初版くり【涅】《クロ(黒)と同根》 水中の黒い土。染料とする。「金の━━に…

『ならなくに』の品詞分解

伊勢物語初段に出てくる源融の歌「みちのくの忍もぢずりたれゆへにみだれそめにし我ならなくに」の第五句「我ならなくに」の『ならなくに』の部分の品詞分解について考えてみたい。まずは参考書を見てみる。★橘誠著「伊勢物語の文法と解釈」(1957年11月初版…

古語辞典比較~にしきぎ(錦木)の記述

「明解古語辞典」で一つだけ金田一京助氏が書いた項目があって、それが『にしきぎ(錦木)』なのだと言う。春彦氏は京助氏が書くと随筆になってしまうので辞書の編纂は京助氏には向かないと述べていたそうだが、さて春彦氏の指摘は的中しているかどうか。 ★…

助動詞『り』について⑦まとめ

助動詞『り』について⑥ http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/06/19/165844⇒ 以上見てきた各古語辞典の記述をまとめると、こんな感じになる。【四段動詞の場合】 ★命令形接続とする辞典 ・「基本古語辞典/改訂版」 (小西甚一編、1966年3月初版…

助動詞『り』について⑥

助動詞『り』について⑤ http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/06/16/094713⇒ ❂新明解古語辞典第二版(金田一京助監修、金田一春彦編者代表、1972年12月初版、1977年12月2版、三省堂) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 重要助動詞活用…

助動詞『り』について⑤

助動詞『り』について④ http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/06/10/090107⇒ ❂全訳用例古語辞典ビジュアル版第2版(金田一春彦監修、菅野雅雄・中村幸弘編、1996年12月初版2002年12月第2版、学習研究社) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−…

助動詞『り』について④

助動詞『り』について③ http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/06/07/093024⇒ ❂明解古語辞典改訂版(金田一京助監修、金田一春彦編修主任、1953年4月初版1958年3月改訂版、三省堂) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【重要助動詞活用…

助動詞『り』について③

助動詞『り』について② http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/06/02/005932⇒ ❂例解古語辞典 第二版(佐伯梅友・森野宗明・小松英雄編著、1980年1月初版1985年1月2版、三省堂)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 助動詞活用表〜ラ変型活…

助動詞『り』について②

助動詞『り』について① http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/05/30/151942⇒ 次に辞書の記述をみてみる。 ❂時代別国語大辞典上代編(上代語辞典編修委員会編、代表:澤瀉久孝、1967年12月、三省堂)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− …

助動詞『り』について①

小松英雄氏の「日本語はなぜ変化するか〜母語としての日本語の歴史」(1999年1月初版、笠間書院)のP259~260にこんな記述がある。 四段活用動詞連用形サキ〈咲キ〉にラ変動詞アリが後接した sakiari には母音連続 ia が含まれるために、二つの母音が融合し…

辞書における『ねこ』

手許にある辞書で『ねこ』を引いてみる。 ★時代別国語大辞典上代編 _ ねこ[猫](名)ねこ。食肉目ねこ科の家禽。「我正月一日、成レ狸〈禰古〉入=於汝時_之時、飽=供養宍種物_ 」(霊異記上三〇話)「猫狸 猫レ捕レ鼠也、貍狸也、又云野貍、倭音上尼古、下多…

伊勢物語初段の『をいつきて』について

伊勢物語初段の かすかのゝわかむらさきのすり衣 しのふのみたれかきりしられす となむをいつきていひやりける (学習院大学蔵伝定家筆本)の『をいつきて』をどう解釈するかは注釈書・参考書でもほぼ二つに分かれている。〈以下は《》の部分が本文。[]の…

これは無いだろ(´ω`)

知恵袋というサイトは質問者がベストアンサーを決めるシステムで、別に専門家が判定するわけでは無いから、エッ??と思うような回答がベストアンサーに選ばれているのを見るのは珍しいことでは無いけれど、それにしてもこれがベストアンサーに選ばれていると…

古語辞典比較~②おはす

『おはす』の各古語辞典の記述。 ❂時代別国語大辞典上代編(上代語辞典編集委員会〈代表・澤瀉久孝〉編、1969年12月初版1刷、三省堂) ◎〚項目無し〛 ❂新訂詳解古語辞典(佐藤定義編、1972年11月初版1982年10月新訂初版1985年1月新訂7版、明治書院)◎おは・…

「春をわするな」か「春なわすれそ」か

(算合本拾遺和歌集より) 菅公菅原道真の著名な歌だが、こんな記事があった。http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000066229ここでは初出の拾遺和歌集では「こちふかばにほひをこせよ梅花あるじなしとて春を…

古語辞典比較~①かみなづき(神な月)

(2018年5月25日記) ヤフオクで「三省堂詳説古語辞典」(秋山虔・渡辺実編、三省堂)を購入して古語辞典が7冊になったので、7冊の記述を比べてみた。まずは『かみなづき(神な月)』の比較。 ❂時代別国語大辞典上代編(上代語辞典編集委員会〈代表・澤瀉久…

伊勢物語関係書③

★伊勢物語関連書☆古今和歌集(29)❂岩波文庫/古今和歌集・嘉禄本《尾上八郎校訂、1927年11月1刷1963年1月33刷、岩波書店》※翻刻本。底本は嘉禄二年本系尾上八郎氏蔵本。❂和漢名家習字本大成十/紀貫之高野切/古今和歌集巻五・八《下中彌三郎編、1933年10月…

伊勢物語関係書②

★古注釈(1)❂大津有一博士蔵伝心敬筆伊勢物語注《髙羽五郎・古屋彰編著、1970年5月、発行元不明》★研究書(14)❂伊勢物語に就きての研究・校本篇《池田亀鑑著、1933年4月初版1958年3月再版、有精堂出版》❂伊勢物語に就きての研究・研究篇《池田亀鑑著、1934…

伊勢物語関係書①

2018/6/15現在、私が所持している伊勢物語関係書。 ★影印本(33)❂伝後京極摂政良経筆伊勢物語《橋本進吉解説、1929年6月発行、古典保存会》※原本は当時守屋孝蔵氏の蔵書。第71段以後のみの零本。複製本は一部折本。池田亀鑑著「伊勢物語に就きての研究」…

古今和歌集各写本

古今和歌集各写本の筆跡の比較。①伊達家旧蔵藤原定家筆本 ②専修大学蔵花山院師継筆本 ③九州大学細川文庫蔵三条西実隆筆本 ④鶴見大学蔵契沖筆本 ⑤宮本家蔵藤原清輔本

伊勢物語各写本㈢

⑳紅梅文庫旧蔵伝藤原藤房筆本 (21)鉄心斎文庫蔵伝二条為氏筆本(通称通具本) (22)歴史民俗博物館蔵伝二条為氏筆本(通称大島本) (23)酒田市本間美術館蔵伝民部卿局筆本

伊勢物語各写本㈡

⑪今治市河野美術館蔵伝九条良経筆本 ⑫九州大学細川文庫蔵伝藤原為家筆本 ⑬天理図書館蔵伝藤原為家筆本 ⑭天理図書館蔵千葉氏旧蔵本 ⑮天理図書館蔵伝冷泉為相筆文暦本 ⑯津市千歳文庫旧蔵蜷川智蘊筆本 ⑰東海大学桃園文庫蔵承久三年奥書本 ⑱東海大学桃園文庫蔵卜…

伊勢物語各写本㈠

伊勢物語各写本の筆跡を画像で比較してみたい。①学習院大学蔵三条西家旧蔵伝定家筆本(実際の筆者は三条西実隆か) ②今治市河野美術館蔵三条西実隆筆本 ③九州大学細川文庫蔵伝三条西実隆筆本(実際の筆者は三条西公条か) ④宮内庁書陵部蔵冷泉為和筆本 ⑤松井…

伊勢物語第4段の歌「月やあらぬ……」の訳の比較

(鉄心斎文庫蔵伊勢物語扇面書画帖より) 先に伊勢物語第40段《すける物思ひ》の訳の比較を行ったが、第40段を収めていない訳本もあり又歌のみ訳を載せている校注本もあるので、さらに広く訳の比較をしたいと思い、第4段の歌「月やあらぬ春や昔のはるならぬ…

堺本枕草子

ヤフオクで落札した堺本枕草子が届いた。「全解枕草子」等によれば枕草子の伝本は①能因本系②三巻本系③前田家本④堺本系の四つに分類され、①②が雑纂形態、③④が類纂形態であるとされる。枕草子の校注本・訳本は②の三巻本系及び①の能因本系を底本とするものが多…

伊勢物語第40段《すける物思ひ》はどう訳されているか④

〘伊勢物語第40段《すける物思ひ》はどう訳されているか③ http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/03/12/015505⇐〙 【中野幸一[対訳古典シリーズ]1990年6月、旺文社】 ★昔、男がまんざら悪くない女を好きになった。おせっかいをやく親がいて、深…

伊勢物語第40段《すける物思ひ》はどう訳されているか③

〘伊勢物語第40段《すける物思ひ》はどう訳されているか② http://nobinyanmikeko.hatenadiary.jp/entry/2018/03/10/222320⇐〙 【原国人[文法鑑賞伊勢物語新解釈]1980年10月、有精堂】 《この本は武田本系静嘉堂文庫本の影印・翻刻本である山田清市編著「伊…