つらつら思うこと

特にテーマは決めずに書きます

岩波文庫「伊勢物語」が届いた。

f:id:nobinyanmikeko:20170415142944j:plainAmazonに注文していた岩波文庫伊勢物語」が届いた。

未使用品が¥180送料込みでも¥437と安いし、大津有一氏校注ということだからどんな物かなと思って買ってみたけど、本は未使用品と書いてあったのはおそらく本当で綺麗だったのだけれど本の内容は正直ガッカリ。

校注とは言っても歌について他のどの歌集に載っているというような情報が書かれているだけで、こんなものが校注と言えるのか疑問。

唯一解説だけは面白かったけど、ちょっと驚いたのは片桐洋一氏の伊勢物語三段階成立説を詳しく紹介し高く評価していること。同じ大津有一氏が山田清市著「伊勢物語の成立と伝本の研究」に寄せた文では片桐説に批判的なことを書いている。
岩波文庫が1964年、「伊勢物語の成立と伝本の研究」が1972年なので考えが変ったということなのか。考えが変ったのなら岩波文庫の改版の時に解説を書き換えれば良いものを、それもしていない。
それとも単に反片桐説の急先鋒だった山田清市に気を使っただけなのか。

天理図書館蔵の伊勢物語の影印本が八木書店から出ているが、その月報の中で大津氏は学生時代に千葉本の当時の所有者だった千葉胤明氏を訪ねた時に千葉本を差し出されて「何時頃の本と思うか」と訊かれて「鎌倉時代でしょう」と即答したと書いている。
これを読んで一体そんな事が即答できるものなのか疑問を持ったし、影印本で見るかぎり字体は古いものには見えない。

何か僕の中で大津有一氏の評価が急落した感じだ。岩波日本古典文学大系伊勢物語は大津有一・築島裕共著となっていて、僕は大津有一氏がメインで書いたものと思っていたけど、実際は校注などは築島裕氏が書いて大津氏は解説等を書いただけではないかという気がしてきた。