つらつら思うこと

特にテーマは決めずに書きます

伊勢物語の『昔おとこありけり』はどう訳されているか?

かつて大学で教わった吉岡曠先生が伊勢物語の現代語訳を学燈社から出しているようで、その本のAmazonレビューにこんなことが書かれていた。

https://www.amazon.co.jp/gp/aw/review/4312600023/RURE7RM9XRUSF/ref=cm_cr_dp_mb_rvw_1?ie=UTF8&cursor=1

確かに『昔おとこありけり』の訳し方は難しいと思う。「昔男がいた」でも間違いではないけれど、古文の試験の高校生の回答みたいで何か違うという感じもある。

そこで『昔おとこありけり』をいろいろな人がどう訳しているかを見てみた。(とりあえず第二段の場合)



☆むかし、男がいた………池田亀鑑(学燈文庫)・田辺聖子集英社文庫

☆昔、男がいた………森野宗明(講談社文庫)・石田穣二(角川文庫)・福井貞助(完訳日本の古典10)・吉岡曠(学燈文庫)・片桐洋一(鑑賞日本古典文学)・森本茂(伊勢物語全釈)・狩野尾義衛(伊勢物語新講)・日栄社編集所(文法解説・伊勢物語

☆むかし、男があった………中谷孝雄(ちくま文庫

☆むかし、ある男がいた………中村真一郎(日本古典文庫)

☆むかし、或る男があつた………中河与一(角川文庫)

☆昔、ある男があった………雨海博洋(文法全解伊勢物語

☆昔、一人の男がいた………阿部俊子講談社学術文庫

☆昔、(一人の)男がいた………桑原博史(新明解古典シリーズ・伊勢物語

☆昔、(一人の)男があった………此島正年(伊勢物語要解)

☆昔、大へん色好みの男がありました………大津有一(現代語訳日本古典文学全集)

☆昔、たいへん色好みの男がありました………大津有一(日本古典鑑賞講座)

☆これも古き世のある男の物語である………吉井勇(新訳絵入現代文伊勢物語



こうして見ると大津有一と吉井勇の訳が個性的だ。

私ならどう訳すだろうと考えてみた。
伝承文学的な面があることを考慮して『むかし、男が居ったそうな』と訳したい。