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鈴木知太郎校註《校註伊勢物語》武蔵野書院版

f:id:nobinyanmikeko:20170906004445j:plain昨日9月5日に、栃木の文学堂書店に注文していた「鈴木知太郎校註《校註伊勢物語》武蔵野書院版」が届いた。

鈴木知太郎氏の《校註伊勢物語》は武蔵野書院版と笠間書院版の二種類があって、笠間書院版はすでに持っているので武蔵野書院版と比較してみようと思って購入した。

笠間書院版が巻末に冷泉為和筆本の影印を収めているのに対して武蔵野書院版は伝定家筆本の影印を収めているのだろうということは予測していて、それはその通リだったのだが、こちらは活字による本文が無くて縮小された影印の上部の欄外に校註が書かれていて、校註の内容も笠間書院版とは全く違っている。
例えば冒頭の初冠だとこんな感じだ。

【武蔵野書院版】
◯うゐかうぶり━━「叙爵の事」とする説(愚見抄、折口博士著伊勢物語私記等)と「元服の義」とする説(直解、闕疑抄、拾穂抄、臆断等)とがある。
◯かすがのさと━━大和国添上郡春日郷。「和名抄、添上郡春日郷。今奈良町是なり。万葉集借香に作る。但その南部なる紀辻紀寺辺は大宅郷の中なりけん」(大日本地名辞書)
◯しのぶずり━━「陸奥信夫郡より草摺て出せる名物なり」(臆断)なお新釈、箋等の諸注もほぼ之に等しい。

笠間書院版】
(1)元服。一説、叙爵。
(2)現在の奈良市春日山の南麓辺か。
[「しのぶずり」の注なし]

これはもう全く別の本だね。

本のサイズがB6版相当と小さい上に1948年刊なので紙質も悪く、あまり読みやすい状態では無いのだが、よく見ると1963年刊の影印本では写っていない字が写っていたりするので調べると面白いかも知れない。