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古語辞典比較〜神(かみ kamï )②古語辞典(中型~小型)一般用〜明解・新明解・角川・角川新版・旺文社

❂明解古語辞典/初版(金田一春彦編修主任、1953年4月、三省堂

かみ【神】(名)
①雷。「━━は、落ちかかるやうにひらめきかかるに」〔竹取〕。
②江戸後期の江戸語。取巻きの者。お太鼓をたたく者。「手めえを━━に連れていったぢゃあねえか」〔一九・膝栗毛〕。
※「改訂版(1958年4月)」も同じ。



❂新明解古語辞典/第二版(金田一春彦編者代表、1977年12月、三省堂

かみ【神】(名)
❶超人的な存在。目には見えないが、超能力を有し、人間にさまざまの禍福を与えると信じられてきた。
❷雷や猛獣など、人間に脅威を与えるもの。「━━(=雷)は、落ちかかるやうにひらめきかかるに」〔竹取〕。「韓国(からくに)の虎とふ━━を」〔万16・3885〕
❸神話に出てくる人格神。
❹強いもの、恐ろしいものの代表。「鬼にも━━にも逢はうどいふ一人当千の兵(つはもの)なり」〔平家9木曽〕
❺〘幇間(ほうかん)を「末社(まっしゃ)」ということから転じて〙後期の江戸語。遊郭に所属しない太鼓持ち幇間。また、「とりまき」の意。「手めえを━━に連れていったぢゃあねえか」〔一九・膝栗毛3下〕。
〚参考〛古代の日本人は多神教で、山・海・道などにはそれぞれ神がおり、雷や猛獣は神の現われとし、天皇はそのままで生きた神であり、偉人は死ぬと神になると考えた。そうしてこれらの神の意に逆らわぬようにつとめ、その殿堂を建て、祭りをし、祈り、種種のささげ物をした。
※「第三版(1995年1月)」もほぼ同じだが❺の「幇間」の前に[語誌]が挿入されている。



❂角川古語辞典/初版(武田祐吉久松潜一編、1958年3月、角川書店

かみ【神】「名」
天皇の尊敬語。「すめろぎの━━のみことの、大宮は」〔万29〕。
②神聖なもの。恐れかしこむべきもの。「からくにの虎といふ━━を」〔万3885〕。
③なるかみ。雷。「伊香保ねに━━な鳴りそね」〔万3421〕。
太鼓持ち。取巻き連中。「お太鼓だの━━だのといふ者が(略)憎いよ」〔三馬・浮世風呂〕。



❂角川古語辞典/改訂版35刷(武田祐吉久松潜一編、1964年1月、角川書店

かみ【神】名
①神聖なもの。自然を支配し、つかさどる存在。「天地(あめつち)の━━も助けよ」〔万・549〕
②「天皇」の尊敬語。「天皇(すめろぎ)の━━の尊(みこと)の大宮は」〔万29〕
③恐れかしこむべきもの。「からくにの虎といふ━━を生けどりに」〔万3885〕
④雷。雷鳴。「伊香保嶺(いかほね)に━━な鳴りそね」〔万3421〕
⑤遊客の取り巻きとなって遊里に入り込む人。「わる井思庵、北里喜之介なにぞ━━つれ」〔黄・艶気樺焼〕
※改訂版85刷(1966年1月)もほぼ同じ。



❂角川新版古語辞典(久松潜一・佐藤謙三編、1972年12月、角川書店

かみ【神】名
人間を超越する能力を持つとされる神聖な存在。多く、宗教的信仰の対象とされた。
❶おもに自然界にあって、人間に禍福をもたらすとされたもの。また、それを類推させるような形態を備えたもの。
①天地・山川・草木などに宿り、これを支配する精霊。「天地(あめつち)の━━も助けよ」〔万4・549〕「(富士山ハ)霊(くす)しくもいます━━かも」〔万3・319〕
②恐れかしこむべきもの。「韓国(からくに)の虎(とら)とふ━━」〔万16・3885〕「汝(な)〈=狼〉はこれかしこき━━」〔欽明紀〕
③〘雷鳴・電光などを神の行為とみるところから〙雷。「伊香保嶺(いかほね)に━━(可未〈乙〉)」〔万14・3421〕
❷日本神話で、国土の創造・支配にあずかるとされたもの。また、それを類推させるような形態を備えたもの。
①神代に登場する神々。「やちほこの━━(迦微〈乙〉)のみこと」〔記謡2〕
②〘天皇を現人神(あらひとがみ)とみるところから〙天皇の尊敬語。「あぐらゐの━━(迦微〈乙〉)のみ手もち」〔記謡96〕「天皇(すめろき)の━━のみことの大宮は」〔万1・29〕
③神社に祭られ神格化された人・物の霊。「北野の━━〈=菅原道真〉にならせ給ひて」〔大鏡・時平〕
④〘近世語〙〘「大尽(だいじん)」が大神と音を通ずるところから〙遊里で、遊客(=大尽)を取り巻く連中。たいこもち。末社。「わる井思庵・北里喜之介なにぞ━━つれ」〔黄・艶気樺焼〕
〚補注〛語源を上(かみ)とする説があるが、上代特殊かなづかいで「神」の「み」は乙類、「上」の「み」は甲類に区別して表記しているから別語。また複合語をつくる場合、「かむ」となることもある。



❂旺文社古語辞典/増補版(守随憲治・今泉忠義校閲、鳥居正博編集責任、1962年2月、旺文社)

かみ[神](名)
神武天皇以前のわが国土の統治者たち。「やちほこの━━のみことは」〈記・上〉
②神聖で侵すことのできないもの。恐れかしこむべきもの。「あめつちの━━をこひつつあれ待たむ」〈万3682〉
天皇の尊敬語。「すめろぎの━━の大御代に」〈万4111〉
④死後に神社などに祭られた霊。
⑤雷。いかずち。「暮れぬれば、━━少し鳴りやみて」〈源・須磨〉
幇間(ほうかん)。取巻き連中。「お太鼓だの、━━だのといふものが、しみじみ憎いよ」〈浮世風呂



❂旺文社古語辞典/中型新版(守随憲治・今泉忠義監修、鳥居正博編集責任、1965年2月、旺文社)

かみ[神](名)
神武天皇以前のわが国土の統治者たち。「やちほこの━━のみことは」〈記・上〉
②神聖で侵すことのできないもの。恐れかしこむべきもの。「あめつちの━━をこひつつあれ待たむ」〈万3682〉
③人間を越えたある強大な力をもつ存在。「この沼の中に住める━━、いとちはやぶる(=猛威ヲフルウ)━━なり」〈記・中〉
天皇の尊敬語。「すめろぎの━━の大御代に」〈万4111〉
⑤死後に神社などに祭られた霊。
⑥雷。いかずち。「暮れぬれば、━━少し鳴りやみて」〈源・須磨〉
幇間(ほうかん)。取巻き連中。「お太鼓だの、━━だのといふものが、しみじみ憎いよ」〈浮世風呂



❂旺文社古語辞典/新版(松村明今泉忠義・守随憲治編、1981年10月、旺文社)

かみ【神】(名)
①日本神話で、国土を創造し支配した存在。神代に登場する神々。「やちほこの━━のみことは」〈記・上〉
②神聖で侵すことのできないもの。恐れかしこむべきもの。「天地(あめつち)の━━をこひつつあれ待たむ」〈万・15・3682〉
③人間を越えたある強大な力をもつ存在。「ただのねずみに非(あら)ず。獣と言へど此れ━━なり」〈今昔・5・17〉
天皇の尊称。「皇神祖(すめろき)の━━の大御代に」〈万・18・4111〉
⑤死後に神社に祭られた霊。
⑥雷。いかずち。「雨降りて、━━いとおそろしう鳴りたれば」〈枕・五月の御精進のほど〉
⑦〘遊里語〙大尽(=客)を大神に見たて、それをとりまく幇間(ほうかん)・末社(取リ巻キ)をいう。=客人の神。「お太鼓だの、━━だのといふものが、しみじみ憎いよ」〈浮世風呂



❂旺文社古語辞典/改訂新版(松村明・山口明穂・和田利政編、1988年10月、旺文社)

かみ【神】(名)
①日本神話で、国土を創造し、支配した存在。神代に登場する神々。「やちほこの━━のみこと」〈記・上〉
②神聖で侵すことのできないもの。恐れかしこむべきもの。「天地(あめつち)の━━をこひつつあれ待たむ」〈万・15・3682〉
③人間を超えたある強大な力をもつ存在。「ただのねずみに非(あら)ず。獣と言へど此れ━━なり」〈今昔・5・17〉
天皇の尊称。「皇神祖(すめろき)の━━の大御代に」〈万・18・4111〉
⑤死後に神社に祭られた霊。
⑥雷。いかずち。「鬼ある所とも知らで、━━さへいといみじう鳴り」〈伊勢・6〉
⑦〘遊里語〙大尽(=客)を大神に見たて、それをとりまく幇間(ほうかん)・末社(取リ巻キ)のこと。=客人の神。「幇間(おたいこ)だの、━━だのといふ者が、しみじみ憎いよ」〈浮世風呂



❂旺文社古語辞典/第九版(松村明・山口明穂・和田利政編、2001年10月、旺文社)

かみ【神】(名)
①神話で、国土を創造し、支配した存在。神代に登場する神々。「やちほこの━━のみこと」〈記・上〉
②神聖で侵すことのできないもの。恐れかしこむべきもの。「天地(あめつち)の━━を祈(こ)ひつつ吾(あれ)待たむ」〈万・15・3704〉
③人間を超えたある強大な力をもつ存在。「ただのねずみに非(あら)ず。獣と言へど此れ━━なり」〈今昔・5・17〉
天皇の尊称。「皇神祖(すめろき)の━━の大御代に」〈万・18・4135〉
⑤死後に神社に祭られた霊。
⑥雷。いかずち。「鬼ある所とも知らで、━━さへいといみじう鳴り」〈伊勢・6〉
⑦〘遊里語〙大尽(=上客)の取り巻きのこと。大尽を大神に見たてていう。「幇間(おたいこ)だの、━━だのといふ者が、しみじみ憎いよ」〈浮世風呂



❂旺文社古語辞典/第十版(松村明・山口明穂・和田利政編、2008年9月、旺文社)

かみ【神】(名)
①神話で、国土を創造し、支配した存在。神代に登場する神々。「やちほこの━━のみこと」〈記・上〉
②神聖で侵すことのできないもの。恐れかしこむべきもの。「天地(あめつち)の━━を祈(こ)ひつつ吾(あれ)待たむ」〈万・15・3682〉
③人間を超えたある強大な力をもつ存在。「ただのねずみに非(あら)ず。獣と言へどこれ━━なり」〈今昔・5・17〉
天皇の尊称。「皇神祖(すめろき)の━━の大御代に」〈万・18・4111〉
⑤死後に神社に祭られた霊。
⑥雷。いかずち。「鬼ある所とも知らで、━━さへいといみじう鳴り」〈伊勢・6〉
⑦〘遊里語〙大尽(=上客)の取り巻きのこと。大尽を大神にかけていう。「幇間(おたいこ)だの、━━だのといふ者が、しみじみ憎いよ」〈浮世風呂