つらつら思うこと

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知恵袋の回答/2018.12.7

古今集に業平作として載っている歌は以下の通りです。【表記は「講談社学術文庫/全訳注伊勢物語」による。《》内は底本=学習院大学蔵本の表記】

①2段……起きもせず寝もせで夜をあかしては春のものとてながめくらしつ
《おきもせすねもせてよるをあかしては春の物とてなかめくらしつ》

②4段……月やあらぬ春や昔の春ならぬわが身ひとつはもとの身にして
《月やあらぬ春や昔のはるならぬわか身ひとつはもとの身にして》

③5段……人知れぬわが通ひ路の関守はよひよひごとにうちも寝ななむ
《ひとしれぬわかゝよひちのせきもりはよひ\/ことにうちもねなゝん》

④9段……から衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬるたびをしぞ思ふ
《から衣きつゝなれにしつましあれははる\/きぬるたひをしそ思》
⑤9段……名にし負はばいざこととはむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと
《名にしおはゝいさ事とはむ宮こ鳥わかおもふ人はありやなしやと》

⑥17段……けふ来ずはあすは雪とぞふりなまし消えずはありとも花と見ましや
《けふこすはあすは雪とそふりなましきえすはありとも花と見ましや》

⑦19段……天雲のよそにのみしてふることはわがゐる山の風はやみなり
《あまくものよそにのみしてふることはわかゐる山の風はやみ也》
古今集は初句「ゆきかへり」。

⑧25段……秋の野に笹わけし朝の袖よりも逢はでぬる夜ぞひぢまさりける
《秋のゝにさゝわけしあさの袖よりもあはてぬる夜そひちまさりける》
※今は「ひちまさり」と清音で読むのが通例。

⑨41段……紫の色こき時はめもはるに野なる草木ぞわかれざりける
《むらさきの色こき時はめもはるに野なる草木そわかれさりける》

⑩47段……大幣と名にこそたてれ流れてもつひに寄る瀬はありといふものを
《おほぬさと名にこそたてれ流てもつゐによるせはありといふ物を》

⑪48段……今ぞ知るくるしきものと人待たむ里をばかれずとふべかりけり
《今そしるくるしき物と人またむさとをはかれすとふへかりけり》

⑫51段……植ゑし植ゑば秋なき時や咲かざらむ花こそ散らめ根さへ枯れめや
《うへしうへは秋なき時やさかさらん花こそちらめねさへかれめや》

⑬69段……かきくらす心の闇にまどひにき夢うつつとはこよひさだめよ
《かきくらす心のやみにまとひにきゆめうつゝとはこよひさためよ》
古今集は五句「よひとさためよ」。

⑭76段……大原や小塩の山もけふこそは神世のことも思ひ出づらめ
《大原やをしほの山もけふこそは神世のことも思いつらめ》

⑮80段……濡れつつぞしひてをりつる年の内に春はいくかもあらじと思へば
《ぬれつゝそしゐておりつる年の内にはるはいくかもあらしとおもへは》

⑯82段……世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
《世中にたえてさくらのなかりせははるの心はのとけからまし》
⑰82段……狩り暮らしたなばたつめに宿からむ天の河原に我は来にけり
《かりくらしたなはたつめにやとからむあまのかはらに我はきにけり》
⑱82段……あかなくにまだきも月のかくるるか山の端にげて入れずもあらなむ
《あかなくにまたきも月のかくるゝか山のはにけていれすもあらなん》

⑲83段……忘れては夢かとぞ思ふ思ひきやゆきふみわけて君を見むとは
《わすれては夢かとそ思おもひきやゆきふみわけて君を見むとは》

⑳84段……世の中にさらぬ別れのなくもがな千よもといのる人の子のため
《世中にさらぬわかれのなくも哉千よもといのる人のこのため》

㉑87段……ぬき乱る人こそあるらし白玉のまなくも散るか袖のせばきに
《ぬきみたる人こそあるらし白玉のまなくもちるかそてのせはきに》

㉒88段……おほかたは月をもめでじこれぞこのつもれば人の老となるもの
《おほかたは月をもめてしこれそこのつもれは人のおいとなる物》

㉓97段……桜花ちりかひくもれ老いらくの来むといふなる道まがふがに
《さくら花ちりかひくもれおいらくのこむといふなるみちまかふかに》

㉔99段……見ずもあらず見もせぬ人の恋しくはあやなく今日やながめ暮らさむ
《見すもあらす見もせぬ人のこひしくはあやなくけふやなかめくらさん》

㉕103段……ねぬる夜の夢をはかなみまどろめばいやはかなにもなりまさるかな
《ねぬる夜の夢をはかなみまとろめはいやはかなにもなりまさる哉》

㉖106段……ちはやぶる神代もきかず竜田河からく
れなゐに水くくるとは
ちはやふる神世もきかすたつた河からくれなゐに水くゝるとは》

㉗107段……あさみこそ袖はひづらめ涙河袖のみひぢて逢ふよしもなし
《あさみこそゝてはひつらめ淚河身さへなかるときかはたのまむ》
※今は「ひつらめ」と清音で読むのが通例。
㉘107段……かずかずに思ひ思はずとひがたみ身をしる雨はふりぞまされる
《かす\/に思ひおもはすとひかたみ身をしる雨はふりそまされる》

㉙123段……年を経て住みこし里を出でていなばいとど深草野とやなりなむ
《年をへてすみこしさとをいてゝいなはいとゝ深草野とやなりなん》

㉚125段……つひにゆく道とはかねてききしかど昨日今日とは思はざりしを
《つゐにゆくみちとはかねてきゝしかときのふけふとはおもはさりしを》


後撰集に業平作として載っている歌は以下の通りです。

①7段……いとどしく過ぎゆくかたの恋しきにうらやましくもかへる浪かな
《いとゝしくすきゆくかたのこひしきにうら山しくもかへるなみかな》

②45段……ゆく螢雲のうへまでいぬべくは秋風ふくと雁につげこせ
《ゆくほたる雲のうへまていぬへくは秋風ふくとかりにつけこせ》

③59段……住みわびぬ今はかぎりと山里に身をかくすべき宿求めてむ
《すみわひぬ今はかきりと山さとに身をかくすへきやともとめてん》

④66段……難波津をけさこそみつの浦ごとにこれやこの世をうみ渡る舟
《なにはつをけさこそみつのうらことにこれやこの世をうみわたるふね》


拾遺集に業平作として載っている歌は以下の通りです。

①61段……染河をわたらむ人のいかでかは色になるてふことのなからむ
《そめ河をわたらむ人のいかてかは色になるてふことのなからん》


★古今六帖に業平作として載っている歌は以下の通りです。(古今集後撰集にも載っている歌は除く)

①44段……出でてゆく君がためにと脱ぎつれば我さへもなくなりぬべきかな
《いてゝゆく君かためにとぬきつれは我さへもなくなりぬへきかな》

②46段……目かるとも思ほえなくに忘らるる時しなければ面影にたつ
《めかるともおもほえなくにわすらるゝ時しなけれはおもかけにたつ》

③49段……うら若みねよげに見ゆる若草をひとの結ばむことをしぞ思ふ
《うらわかみねよけに見ゆるわか草をひとのむすはむことをしそ思》

④77段……山のみなうつりてけふにあふ事は春の別れをとふとなるべし
《山のみなうつりてけふにあふ事ははるのわかれをとふとなるへし》