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三省堂例解古語辞典⑲【こきまず】㈦ 2000年代~

【こきまず】の各古語辞典の記述を比較してみる。〜その(5)

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三省堂詳説古語辞典(秋山虔渡辺実編、2000年1月)
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こきま・ず【こき混ず】[他ザ下二]〘「こき」は接頭語〙種類の違うものをまぜ合わせる。取り合わせる。
[例]「見渡せば柳桜をこきま・ぜて都ぞ春の錦なりける」〈古今・春上・56・素性〉
[訳]はるかに見渡すと、緑の柳と薄紅の桜を混ぜ合わせて、この都こそが、春の錦だったのだ。
[参考]柳が芽ぶき、桜が花開いた都の春景色を錦に見立てた。

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★全訳全解古語辞典(山口堯二・鈴木日出男編、2004年10月、文英堂)
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こき-ま・ず【扱き混ず】[動](ザ下二)〔「こき」は接頭語〕いろいろなものを混ぜる。
[例]見渡せば柳桜をこきまぜて都ぞ春の錦なりける〈古今・春上・素性〉
[歌意]遠く眺め渡すと、柳の若葉と桜の花びらとを混ぜあわせて、都はまさに春の錦なのであった。
[読解]小高いところから春の都全体を眺望して詠んだ歌。柳の新緑と桜の薄紅とが美しく混ざりあった都の春景を錦織に見立てている。錦は、秋の紅葉を見立てる表現として一般的であったが、それを「春の錦」としたところにこの歌の斬新さがある。

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