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荒井裕樹著「凛として灯る」

2022年7月21日付けの東京新聞夕刊のコラム「大波小波」にこんな記事があった。


★複数の差別と向き合った女性

 モナ・リザスプレー事件をご存じだろうか。1974年4月20日、当時の政府が力を入れて開催した「モナ・リザ展」(東京国立博物館)の一般公開初日。一人の女性がモナ・リザにスプレーを噴射し、警備員と私服警官に取り押さえられた。米津知子。当時25歳。ウーマンリブ運動に参加。ポリオの後遺症で右足に障害があった。事件は障害者、高齢者、子連れ女性の入場を制限した展覧会への抗議だった。
 米津の行動の背景には何があったのか。荒井裕樹「凛として灯る」(現代書館)は、そんな米津の人生と事件に迫る評伝的な著作だ。リブ運動の沸騰の中で、米津は「女性であること」と「障害者であること」に同時に向き合い、引き裂かれ、葛藤し続けた。特に優生保護法「改悪」をめぐる論争の中でその葛藤は深まる。荒井は息詰まるような記述でそれを追っていく。
 近年は性、障害、民族など、複数の差別を重層的に問うことを交差性(インターセクショナリティ)と呼ぶ。言葉で名指すのはたやすい。だが自らの身体でそれを生きるとは、こんなにも過酷で、「凛と」したことなのか。男性健常者の荒井が米津にどう対峙したか。それを「我々=読者」はどう読むか。問いは何重にも交差していく。(青)


 実は僕は米津知子さんとは、モナリザスプレー事件の数日前に一度会っている。
 あの頃僕は反入管運動の団体に入って活動していた。その日は新宿で我々の訴えを行ったのだが、リブ新宿センターからの支援で来ましたと言って活動に加わってくれた一人の女性がいて、活動のあと喫茶店で少し話したりもした。
 その数日後にモナリザスプレー事件があって、誰かから「スプレーを噴射したのは、この前新宿の活動の時にリブセンターから支援に来た人らしいよ」と聞いて驚いた。

 小柄で、片足を引きずりながら歩いていたのを覚えている。
その後米津さんとは一度も会っていない。ネットで少し前米津さんの記事を見て、結局罰金¥3,000という軽い処分だったと知って安心したばかり。

 来月5日生活保護が下りたら「凛として灯る」を是非買いたい。